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アンダーグラウンドSS【第2夜】
- 1 名前:☆彡ななしっち@ 投稿日:2004/05/27(木) 03:11
アンダーグラウンドSS【第2夜】
dame進行(デフォルト最下)の非専用スレです。
皆さんご自由に参加ください。
○基本的なルール
人目に付きやすい場所に載せるのが憚られるような作品、
またはコソーリ書いていきたい作品用スレッドです。
ジャンルは特に規定しませんが、エロのみは禁止とします。
過去スレ、関連スレ>>2
その他注意事項など>>3
- 98 名前:真昼の月 投稿日:2005/02/22(火) 04:43
大安吉日、晴れ
普段そんなに意識しない縁起事が、これ程までに気になってしまうなんて
自宅から乗ったタクシーには私と、無二の親友・・・
「あーあ、とうとうあたしが最後になっちゃったか」
「ごめんね、どれみちゃん・・・」
「なーに言ってるのさ、あたしはみんながハッピーになってくれれば
それだけでスゴク嬉しいの・・・だからぁー、気にしないで? ねっ」
あいちゃんが最初で、去年のぽっぷちゃん・・・そして
彼・・・まさる君の留学でずっと先送りになっていた、今日は私たちの結婚式
これで、どれみちゃんを残しMAHO堂のメンバーはみんな結婚してしまう。
人一倍恋に憧れ、そしてやっと気付いた一番身近な存在・・・小竹君と付き合い
誰しも、彼女が一番最初に幸せになる事を予測していた。
でも、高校に上ると小竹君はサッカーの名門、静岡県の掛川高校へと行ってしまい
そこで彼は・・・出会った、新しい彼女と付き合ってしまう。
「どーいうことだよ、小竹!」
「悪ぃ、本当にすまないと思ってる。でも俺・・・アイツの事、本気なんだ」
「なによそれ? じゃ、あたしは? アンタの帰りを・・・
一人前になって、また此処美空に戻ってくる。それまで信じて俺の事待っててくれ
・・・その言葉を信じて、今日の今日まで待ってたあたしはどうしろって言うの??」
「・・・・・・・」
小さい頃から親しかった、最も信じられたはずの・・・彼の裏切り
それでも諦めきれないどれみちゃんは
その後も彼に手紙を書いたり、電話したり・・・直接掛川へ行ってみたり色々したけれど
結局、小竹君は高校卒業後も美空へ帰ってくる事はなかった。
その傷があまりにも深過ぎたのだろう、それ以来
どれみちゃんは二度と男の子と付き合わなくなってしまい・・・
「・・づきちゃ・・・はづきちゃん! 着いたよ。式場に」
気がつくとタクシーは既に式場の玄関口へと入ってきていた。
入り口にはママとパパ、ばあや・・・それにあいちゃん達の姿も見える。
「はづきちゃん?」
「なに? どれみちゃん」
「幸せになるんだよ、必ず・・・絶対だかんね!!」
「ウン・・・ありがとう。」
あたしの分まで・・・真剣な顔で、そう言いたげな彼女に見送られ
私は式場の中へと向かっていった。
- 99 名前:真昼の月 投稿日:2005/02/22(火) 04:45
・・・・・・・
「いやぁ、みんな元気そうで安心したわ。」
「ってあいちゃん、先月みんなと会ったばっかじゃん!」
「あ、そうやったっけ? でも、ももちゃんはテレビ電話やったしな
やっぱこう、みんなと直接会うと あの頃を思い出すなぁ・・・」
賑やかしく話す輪から少し離れ、窓際に凭れ掛かりながらぼーっと窓の外を眺める
人との付き合いが少し苦手な癖はいまだ拭えず、彼女もまたあの頃のまま・・・
「り・ん・の・さーん♪」
「・・・・・・」
「ねえ・・・かよこちゃん?」
「えっ、あ、どれみちゃん。ごめんボーッとしちゃってて・・・」
中学、高校とどれみと一緒だったかよこ
最も身近で親しかった彼女もまた、どれみの失恋・・・辛い姿を見ていた。
「どれみちゃん・・・あのさ、ちょっといいかな?」
「いいけど・・・もうすぐはづきちゃんの結婚式始まっちゃうよ」
「・・・その前に、どうしても話しておきたいの。」
「・・・・・・わかった。」
控え室の隣、脇に入った給湯室
そこでかよことどれみは互いの顔を見ることも無く、話を始めた。
「あのね、どれみちゃん・・・わたし・・・」
言い掛け、ふと手元のバックから何かを取り出す。
背を向けたまま続ける行動に、まさかと思ったが・・・
「かよこちゃん・・・煙草、吸うんだ」
「うん、ちょっとね。どうしても気分が落ち着かない時に・・・コホッ、ゲホッゲホッ」
「やめなよ、無理して・・・身体に毒だよ?」
それに答えず、そっと口元から逸らした煙草を
流し台の水溜りに押し付け、乱暴に消す。
「・・・まだ続いているんでしょ?」
「・・・・・・なんのこと・・・かな?」
「いいよ誤魔化さなくって。中学の時から知ってるんだから・・・
矢田君とどれみちゃんの、秘密の関係。」
- 100 名前:真昼の月 投稿日:2005/02/22(火) 04:47
哀しそうでもなく、怒っている訳でもなく・・・ただ無表情のまま
ポタポタと垂れる流し台の蛇口を見つめながら。
「あの時、すごくわたしビックリした。信じられなかった。
だってはづきちゃんが矢田君の事をどれだけ想っているか、一番解かっている貴女が
そんな裏切りをする訳がないって思っていたから・・・
いつかはその過ちに気付いて、二人は離れてくれる。そう願っていた。」
「・・・・・・」
「でも先週、その願いは打ち砕かれてしまった・・・
どれみちゃんと矢田君がホテルから出て来るのを、わたし見ていたの。
なんでなの? ありえないよ、結婚式を間近に控えた人とそんな関係を続けるなんて・・・
どうしちゃったの?? わたしを・・・どうしようもないこのわたしを、
心の底から救ってくれた貴女は一体何処へ行ってしまったの!?」
「あたしは・・・ここにいるよ?」
「えっ?」
そっとわたしに近付いてくるどれみちゃん
そして、わたしの顔と彼女の顔が触れ合うほど近くに迫り・・・
「あたしははづきちゃんを裏切ってはいないよ。矢田君もそれは同じ
お互いが幸せになってくれる事、心から願っている・・・
でもあたし達は知ってしまったの。
・・・砂漠の 湧水を・・・」
「そんなの わたしには・・・わかんないよ」
そっと頬に触れた彼女の手が、わたしの瞳から流れ出た水滴を拭い取る
気付かないうちに、わたしは涙を流していたんだ。
「・・・あの時、かよこちゃんと友達になりたいと思っていたあたしも
矢田君と関係を続けているあたしも
どっちも・・・本当のあたし。
天使でも悪魔でもない、人間の・・・春風どれみなんだよ?」
・・・憂いに満ちたその顔は、あの頃のまま
それ以上わたしは・・・何も言えなくなってしまった。
そして、その時給湯室を離れるひとつの影に 気付くことも・・・
- 101 名前:真昼の月 投稿日:2005/02/22(火) 04:50
・・・・・・・
「新婚旅行はヨーロッパかぁー・・・ええなぁ、アタシなんか有馬温泉一泊やでー」
「まぁまぁ、新婚旅行なんて行き先よりその“内容の方”が大事な訳だし・・・」
「内容がナイヨーじゃ御姑さんにもバツが悪いネ・・・アヒャ」
「も、ももちゃん・・・は天然だとしても
おんぷちゃんったらやらしいなぁー・・・とても大女優の台詞とは思えんわ・・・」
ぞろぞろと式場から出て来る列の最後に、挨拶を終えた新郎新婦が出て来る。
「みんな、今日はほんとにありがとう!! 私、幸せになります。」
嬉しさに泣き出しそうな私の肩をそっと寄せ、やれやれという顔でそっとハンカチを渡す。
その様子を見て、みんなが私達を囃し立てる・・・
その中で、わたしを見つめている彼女
それはまるで愛しい娘を見送る母親のように、優しさに溢れていた。
ごめんね、どれみちゃん・・・でも
まさる君はあなたに渡せない・・・
・・・その互いの心を見透かすかのように 昼間に浮かぶ薄い月は 静かに笑っていた・・・
― おわり ―
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