■掲示板に戻る■ 全部 1- 101-163 前67 次89 最新50

アンダーグラウンドSS【第2夜】

1 名前:☆彡ななしっち@ 投稿日:2004/05/27(木) 03:11

  アンダーグラウンドSS【第2夜】

dame進行(デフォルト最下)の非専用スレです。
皆さんご自由に参加ください。

○基本的なルール
人目に付きやすい場所に載せるのが憚られるような作品、
またはコソーリ書いていきたい作品用スレッドです。
ジャンルは特に規定しませんが、エロのみは禁止とします。

過去スレ、関連スレ>>2
その他注意事項など>>3

68 名前:遠いメッセージ 投稿日:2005/01/11(火) 00:31

「もーう、遅いぞぉ小竹ー!待ちくたびれちゃったよぉ・・・」
「ワリぃワリぃ・・・」

どれみとの部活帰りの待ち合わせ・・・

付き合ってるってワケじゃないけど
1年生の頃からなんとなく、こんな事が続いている。

春のサッカー部地区大会を控えて、部活はますます忙しくなり
放課後練習が長引き、オレはいつもどれみを待たせていた。

「サッカー部は大会近いからねぇー
 あたしの吹奏楽部はコンクールが秋だったから、今は意外と暇な時期かも・・・」
「なぁ、どじみ・・・いいんだぜ? 帰り、無理に待っててくれなくっても
 いつもオレが待たせてばっかだからさ・・・」
「いいっていいって」

「よかねぇよ!」

この時何故、こんなにも強い口調になってしまったのだろう?

今日のミーティングで、来年の部長候補からオレが外されたって事に苛立っていたからか?
正直 それも、あったのかも知れない・・・でも

いつも木枯らしの吹く校門の傍で、
何十分・・・時には一時間近くも待っているコイツに申し訳ないという思いと、
その所為で風邪でも引いてしまっては、という心配な気持ちのほうが強かった・・・

「なによ・・・そんな言い方しなくたっていいじゃん」

「・・・迷惑・・・なんだよ」

思ってもいない、最悪の言葉が口をついて出てしまう・・・

「・・・そ か わかった。
 アハハ、あたしニブチンだからそーいうの気付かなくってさ・・・
 ごめんね・・・ホントにごめ・・」

最後まで言い終えず、どれみは走り出した。
その姿はすぐ、冬の早い夕暮れの闇へ消えていった。


・・・オレって サイテーだな・・・



69 名前:遠いメッセージ 投稿日:2005/01/11(火) 00:32

夜・・・

どれみとの事が気になって、オレはなかなか寝付けず
ただベッドに横になり、ボーっと天井を見つめていた・・・

コンコン・・・

どれ位経っただろうか、自室のドアをノックする音で我に帰る。

「哲也、お友達から電話よ。」
「誰だろ、こんな夜遅くに・・木村かな?」
「女の子からよ・・・えっと名前なんだったかしら?」
「えっ!?」

どれみだ! きっとそうだ!!
さっきはゴメンって謝らなきゃ・・・

「もしもし、どれみか? さっきはゴメンな。オレ・・・」
「・・・小竹君ごめん、わたし・・かよこ。」
「へ?・・・あ、アハハハハ・・・わ、ワリぃワリぃ・・・んで、何だ長門?」
「・・・・・・・どれみちゃんが・・・」
「・・・どれみが?」


うそだ

うそだうそだうそだうそだうそだうそだ・・・・・・


どれみは、オレと別れた後
大通りで事故に遭って・・・

「さっきね・・・わたしや、家族の人に看取られて・・・・・眠るみたいに・・・」


そんなことって・・・ないよ・・・


・・・・・・


一週間後・・・
クラスも、いつもどおりの賑やかさをを取り戻した。
いや・・・みんなそう振舞うことで寂しさを紛らわしているだけなのかも知れない。

それ程、アイツはみんなにとっても大きな存在だったんだ。

・・・オレにとっても・・・・・



70 名前:遠いメッセージ 投稿日:2005/01/11(火) 00:34

夕方・・・

いつまで経っても練習に気が入らないオレを、先輩は容赦なくしごいた。
ヘトヘトになって、いつものように部室を後にする。

下校時間はとうに過ぎ、誰も居なくなった校庭を横切り校門へ向かう

もう・・・アイツの待っていてくれないその場所・・・

・・・・・!!??


「もーう、遅いぞぉ小竹ー!待ちくたびれちゃったよぉ・・・」


何度も目を擦って確かめた。
でもそれは消えない・・・幻なんかじゃない!!

「どれみ・・・」

「・・・なーにーさぁー“どれみ”なんて呼んだりしちゃってぇー?
 キモチわるぅー」
「・・・おまえ、本当にどれみなのか?」
「ちょっと寝惚けてんのぉ? 見りゃ解かるでしょうがぁー! ぷっぷのぷー」

いつものヒネた顔・・・それは間違いなくどれみだった。

そうか・・・いままでの事は全部悪い夢だったんだ。

病院での事も、葬式も、誰も居なくなったアイツの墓に縋り付いて泣いた事も・・・
みんなみんな夢だったんだ!!

「・・・良かった・・・・・ホントに良かった・・・」
「何ワケわかんない感動してんだか・・・寒っ! ねぇ、早く帰ろうよー」
「ああ・・・それと・・・昨日はゴメン」

どれみと並んで歩く帰り道
遠く、夕日が沈もうとしている。

「あ、うわぁ!」

道端の石にどれみが躓いて、見事にコケた。
泥を払いながらゆっくりと立ち上がる・・・・・・  !!

「・・・もー、助け起こしてくれたっていいじゃん」
「・・・?!・・・あ・・わ、ワリぃ・・・」


ない・・・


夕日に照らされて、オレと同じ長い影が出来ていなければならない、隣にある筈の


アイツの・・・・・どれみの影が・・・ないんだ。



71 名前:遠いメッセージ 投稿日:2005/01/11(火) 00:36

「あ、あのさ おまえ、昨日オレと別れた後・・・その・・・」
「そうそう! 昨日のその時から、さっき小竹と会うまでの間の記憶が
 なんだかハッキリしないんだよねぇ・・・なんでなんだろ?」


考えたくない思いが、頭の中を巡る

またオレは、あの悪夢の中に引きずり戻されてゆく・・・

どれみは、あまりにも突然に起こった自分の出来事に 未だ気付かずに居るんだ。


「・・・なぁ、どれみ ちょっと寄り道していこうぜ!」
「ん・・・まぁ、いいけど?」

どれみが観たがっていた、戦隊物の特撮映画を見て
並木道に彩られたイルミネーションを眺め
美味いと評判のあんみつ屋で、大盛りあんみつを食べて・・・

それは、いつか誘って行こうと考えていた
どれみとのデートコースだった・・・

そして、夕日を見るハズだった美空海岸へ
しかし辺りはもう真っ暗になり、遠く岬の灯台の光だけが瞬いている。

「うぅーん・・・ちょっと寒いけど、潮風が心地いー」
「ああ・・・そうだな・・・」


・・・着いたら言わなきゃダメだ そう自分に言い聞かせてここまで来たのに・・・


もし、このまま黙っていたら
どれみは気が付かなくて、ずっと自分の傍に居てくれるんじゃないか?

そんな淡い期待がオレの口を塞いでしまう・・・


「・・・小竹、あたしさ・・・・・
 もしかして・・・・・死んじゃったの?」



72 名前:遠いメッセージ 投稿日:2005/01/11(火) 00:38

「!?・・・・・」
「なんかさぁ、さっきから色んなトコ廻ってて
 ずっとまわりの人たちがヘンな目で見てたでしょ?まるで小竹が独り芝居してるよな・・・
 それにね、洗面所行った時・・・あたしの顔、鏡に映らなかったんだ・・・
 でね・・・もしかしたら・・・って思って」

あんな思いは、もういやだ・・・

「ばーか、そんなワケねーだろ!
 現におまえはここに立って、喋って、寒さも感じて・・・
 そ・・そんな・・・ワケ・・・絶対にない!!」

堪え切れずに出た涙に気付かれまいと、どれみに背を向けた。


「ありがと、小竹・・・」


その言葉が驚くほど近くに聞こえた途端、


唇に温かいぬくもりが伝わった・・・


「でもよかったー。だって喧嘩したまんまじゃ、あたし辛いもん・・・」

目の前に居るどれみの姿が、だんだんと闇に同化してゆく・・・

「待て、行くな 行かないでくれ!どれみ!!」
「プロのサッカー選手になる夢、叶うといいね・・・
 あたしもずっと応援してっからさ、まずは今度の大会 頑張れよっ!」

「・・・イヤだよオレ、どれみが居なきゃダメなんだよ お願いだよぉー」
「もー そんなんじゃあたし、安心して行けないじゃんかぁ〜 ホラッ泣かない!」

「どれみ! どれみ!! どれみぃー!!!」


「・・・最後に出逢えて良かった。  ありがとう、小竹・・・」


・・・まってくれよ


オレまだ、おまえに・・・


どれみに「好きだ」って・・・言ってないよ・・・


・・・・・・・・




73 名前:遠いメッセージ 投稿日:2005/01/11(火) 00:40


ジリリリリリリリリリリリリリリリリ・・・・・


「はっ!?」


朝・・・

涙目を擦り、重いからだを起き上がらせ
部の朝練に向かう為、少し早めに家を出る。

朝もやの中を、軽く走りながら美空中へと向かう
そして、校門が見える距離までやって来て・・・

「・・・やっぱ いないよな・・・」

悲しんでばかりじゃアイツが心配する。
そう解かってはいたけど・・・・・やっぱ辛いよ


「誰が居ないのさ!小竹」


!!??


その朝日に照らされた姿に、そっと影がおちる・・・

間違いない、今度こそ本当の・・・

「おまえ・・・・・どっ、どれみいいいッ!!」


 バシッ ばちーん!!・・・・・

「いきなりなに抱きついてるのよ、エッチ!
 昨日逃げ出しちゃったの謝ろうと思って待ってたってのにさ・・・」

「ウッ・・・ウエエエエエエーン」

オレは大声で泣いた・・・アイツの目の前で

恥ずかしかった
でもそれ以上に、あの出来事が夢であったのが嬉しくて 涙が止まらなかった。



74 名前:遠いメッセージ 投稿日:2005/01/11(火) 00:43

 
「もーう・・・何があったかワカンナイけどさ
 あたしは・・・・・ずっと小竹の傍にいるから、安心しなよ ねっ?」


そう言ってどれみは、オレの頭をまるで子供でもあやすかのように 優しく撫でてくれた。

その心地のよさに、アイツの告白を聞き流していることも気付かずに・・・

 

 悪夢・・・哀しい夢

 
    それは、自分がいま如何に幸せであるかという事を伝える為の

 
                   遠いメッセージ なのかも知れない・・・

 

       おわり

178 KB
掲示板に戻る 全部 1- 101-163 前67 次89 最新50
 名前: コマンド/メール(省略可):
read.cgi ver4.20 by GlobalNoteScript (2006/03/17)