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いつどこでどうしてどれみにハマったか報告するスレ

1 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/07/05(土) 04:15
漏れは友人に勧められ#2話を見てからハマりますた。

12 名前:藤原はづきの場合 投稿日:2003/10/17(金) 02:02 ID:???
それは、つい最近のようで・・・遠い昔のような・・・

わたしがソナチネ幼稚園に入園してすぐの事だった。
引っ込み思案のわたしが、まだ誰ともおはなしが出来ず、ひとりで園内のすべり台で遊んでいた時、
ふと、すべり台に寄り添うように立っている木に、とてもきれいなお花が咲いている事に気づいた。
「うわー・・・とってもきれいなおはな・・・これをもってかえれば、ママやばあや達、きっとよろこぶ・・・」
そう思って、はづきはピンクの花の咲いた木の枝を3本折ってすべり台を降りた。
そして、教室に入ろうとしたその時、
「コラ、木の枝を折っちゃダメじゃないの。はづきちゃん?」
先生の声だった。
今思い返せば、先生は怒って言っていたのではなく、どうして取ってしまったの?と尋ねたに過ぎなかったのだと思った、
だが、その時のわたしはママにすら怒られたことがなく、
ただただ、どうして良いか、なんて言えば良いか判らず、目に涙が溢れてきた。
「わたし・・・わたし・・・ヒック」
「・・・あたしがとってってたのんだの!」
??!!
「あたしが・・あたしがたのんだの・・・だからそのこをおこらないで・・・ごめんなさい・・・ヒックヒック」
そう言って、その子は泣き出してしまった。
そして、わたしもつられて泣き出した。
「あらあら・・・でも、いけませんよ。このお花さんはみんなに見てもらいたくって、がんばってきれいに咲いているんですよ。
だから、とってしまったらかわいそうでしょ?ね。」
「・・・ごめんなさい先生、ごめんなさいおはなさん・・・」
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

あの後も気まずくて、あの子になにも言えなかった。
言わなくちゃいけない一言。でも勇気が出ない。

そして、帰りの時間
「「「せんせいさようなら、みなさんさようなら」」」
各自、お迎えに来た親のところへ帰ってゆく・・・
その中「はづきちゃーん!」ママの姿が映った。
親しい友達も居なくて、ただただこの時間が来ることばかり考えていた。
昨日までは・・・でも・・・
その時、ポンと肩を叩かれた。あの子だった。
そして彼女は満面の笑みを浮かべて言った。
「ともだちだね。」
その顔を見ていたら、不思議と今までの惑いがスッと消えていった。
「ウン!・・・それと・・・さっきはごめんね。ありがとう。」

それは遠い昔話のようで、いまでもずっとつづいているおはなし。

13 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/10/17(金) 23:28 ID:utiGj1uo
いったいなんの長文かと思いきや、いい話じゃねえか。
しかも、このスレの主旨と違ってるような合ってるような
その微妙さかげんがまたイイ。

14 名前:すぺぺ 投稿日:2003/10/17(金) 23:49 ID:???
う、きた(;TДT)

15 名前:小竹哲也の場合 投稿日:2003/10/18(土) 01:26 ID:???
「なによ!小竹なんかしんじゃえ、バカ!!」

小学校1年の夏休み。
「Jリーガーになりたい」という夢を持ち始めたのもこの頃だった。
そんな或る日のこと、いつものようにオレは木村達と河原でサッカーの練習をしていた。
すると、そこへ
「おらガキ、ここで野球の練習すっから、そこどけ。」
自分の背丈の何倍もある高校生達にとり囲まれてしまった。でも・・・
「最初から使っていたのはオレたちなんだから、おまえらこそどっか行け」
勝気で強情っぱりなオレは頑として退こうとしなかった。
いや、オレだけじゃなく、木村達もそうだった。
「あんだと、オイ、なめてんのかぁ」
詰め寄る黒い影
そして、頭、足、背中・・体中に容赦なく叩きつけられる痛み。
敵うわけが無い・・・でも、夢中で両腕を振り回していた。
悔しさで目の前がぼやけてきた・・・ちくしょう!
その時だった
「ぅぁぁぁぁああああああ!!!」
まるで、ピンチに駆けつける正義の味方のように
叫びながらアイツが走ってきた。
そして、地面の砂を掴み投げつけ始めた。奴らだけでなくオレたちにまで・・・
「・・んもう、ケンカしちゃダメなんだからね。先生に言いつけるんだからぁ」
声を張り上げて叫んだ。泣きながら・・・
その騒動に気づいたまわりの人たちが集まってきた。
何も言わずに逃げてゆく高校生達。
そして、のされているオレ達にアイツは駆けつけ、
「だいじょうぶ?血がでてるじゃん・・・手当てしないと」
「うるせぇ!余計な事すんな!バカ!」
・・・・・
悔しくって、みっともなくて、八つ当たりして・・・格好悪過ぎだ・・オレ

これがアイツとの初めてのケンカだった。
この時はまだ「煩わしいお節介焼き」という思いしかなかった・・・

はずだ。

16 名前:12 投稿日:2003/10/18(土) 02:28 ID:???
>>13 さん
>>14 すぺぺさん

ありがたきお言葉、感謝です。
でも、ヘタレ&ハズカスィのでkageさせて。ゴメンナサイ。

17 名前:13 投稿日:2003/10/18(土) 02:54 ID:???
いやいや、これはかなり(・∀・)イイヨーイイヨー
糞スレから奇跡が生まれる瞬間の目撃者に!

でも本人がそう言うので、とりあえずsageとこ。

18 名前:巻機山花の場合 投稿日:2003/10/18(土) 08:44 ID:???
あれは・・・ママ達が人間界に帰ってしまった頃のこと・・・

「(どうしていなくなっちゃったの?)」
「(ハナちゃん、好き嫌いもしないし、いたずらもしないし、
 ちゃんとママの言うこと聞くから・・・だから・・・)」
「(会いたいよ・・・ママ・・・)ウェエエン・・マンマー・・・」
「あらあら、ハナちゃーん?可愛いお顔が台無しですよー?」
お得意のフリフリダンスを披露しても一向に泣き止まない。
「うーん・・困りましたネェ・・・」
意を決したかのように、私の横に座ると、
真剣でいて、しかし優しい顔で彼は語り始めた・・・
「きっと、ハナちゃんはママたちの事を思っているのですね?」
「・・・・・」
「・・・仕方が無いのです。今は・・・でも・・
 離れていても、ずっとハナちゃんの事を見守っていますよ。
 だから泣いてばかりいたら、きっとママたちは心配してしまいますよ?」
「・・・・・」
「それに・・・」
「・・・?」
「いつかきっと会いに来てくれます。必ず!」
「(ほんとに?)」
「エエ、なんたって彼女たちは「奇跡を現実にしてしまうプロ」なんですから!
 私が保証します!!」
「(そっか、ママたちにまた会えるんだ)キャッキャッ」
「そうですとも、だからいつもチャーミングな笑顔のハナちゃんでいないと」
「(ウン、ハナちゃん待ってる。いい子で待ってる)」
・・・・・

心地の良いまどろみから、うっすらと目を開けると
そこには笑顔のママがいた。
「ハナちゃんおきた?おやつだよ。」
トレーにのったホットミルクと歪なカタチのクッキー。
甘く、せつなく、温かい・・・

だいすきなママのにおいだった。

19 名前:12 投稿日:2003/10/18(土) 09:17 ID:???
>>13 さん
始めはアップしようかどうしようかと迷っていたのですが・・・
反応して下さる方が居るだけで有り難いです。

20 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/10/18(土) 12:07 ID:???
いいもの読ませてもらっちゃった…・゚・(ノД`)・゚・。

21 名前:谷山将太の場合 投稿日:2003/10/19(日) 01:59 ID:???
想うだけの恋ってのも・・・ありなのかな?

きっかけは3年のときの将棋大会。
絵に描いたような「お節介焼き」の彼女のおかげで、
ぼくは胸を張って好きな将棋ができるようになった。
あの日、彼女と日直当番が一緒にならなかったら・・・
あの日、彼女がぼくを追いかけて来なかったら・・・
いまの「素直な自分」はあっただろうか?
そんなことを思っていると、いつしかぼくは彼女を目で追いかけていた。
背が低く、前から2番目の自分の席から
後ろから2番目の席の彼女を見るには不自然に振り返らなければならなくて、
休み時間になると、窓際に向かい、立つことが日課になっていった。
いつも彼女のまわりには「誰か」がいた。
笑っている人、泣いている人、怒っている人・・・
「あ・・・そうなんだ。」
それを見ながら、ぼくは「気付きたくない事」に気付いてしまった。
「彼女は誰にでも優しいんだ。・・・ぼくだけじゃ・・なかったんだ・・・」
そんなある日、1年前と同じ彼女との日直当番の日がやって来た。
前日の晩はほとんど眠れなかった・・・
休み時間、授業で使うプリントを取りに職員室へ行った帰り、
「・・・ねえ、谷山くん、今でも将棋やってるんでしょ?」
「・・う、うん・・この前、アマチュア大会で優勝できたんだ・・」
言いたい一言・・・胸が、頭が・・体中が熱い。
この一言を聞いたら、彼女はどんな顔をするだろう?
困った顔をするだろうか?それとも・・・笑ってくれるだろうか?
うん・・・よし!
意を決して震える口を開く。
「・・これもみんな春
「すごいじゃん!!やっぱ谷山君は将棋の天才だよ!!」
ぼくの言葉を口だけではなく、頭からもスッポリ抜けさせるには十分すぎる彼女の大声
あーあ・・・やっぱりだめだ・・・ハァ・・・
階段で調子に乗って彼女がバンザイのポーズを取ろうとした瞬間、
バランスを崩した彼女がぼくをめがけてぶっ倒れて来た。
ドカッ、ドサッ、ベチャッ
痛てて・・・はっ、彼女は?
そう思って目を開けた瞬間、彼女の大きな瞳が目の前にあった。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
沈黙。でもぼくの鼓動は相手に聞こえてしまう程に高鳴っていた。
「ハッ・・・え、あ、アハ、ご、ごめんね。た、谷山君大丈夫?」
「あ、あ、う、うん、大丈夫みたい。」
その後の授業も、家へ帰ってからの事も、ほとんど覚えていない。
あの時の大きな瞳と彼女のぬくもりだけが頭を支配していた。
そして、その晩もほとんど眠れなかった・・・

今日もまた、ぼくは窓際に立つ。
今日もまた、彼女は笑っている。
眩しすぎるくらいに・・・

22 名前:12 投稿日:2003/10/19(日) 02:36 ID:???
と、某スレのステーキさんに「谷なんとか」とか言われちゃってるほど
マイナー&覚えてますかー?キャラさんの登板ですが、如何なもんでしょ?

>>20 さん
またもや、ありがたきお言葉・・・・゚・(ノД`)・゚・

23 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/10/19(日) 03:54 ID:???
せ、せつないよ、谷山君!
なんかこう幼い頃を思い出してキュッとくるなぁ。(*´ー`*)

24 名前:春風ぽっぷの場合 投稿日:2003/10/20(月) 01:15 ID:???
「おねえちゃん」

そう呼ぶようになって、もう2年半が経とうとしている。
最初のうちは慣れなくって、歯痒くって、なんだか違う人に話しかけているような感じだった。
でも、わたしが幼稚園に上がる頃までは普通に、自然にこう呼んでたのにな・・・
いつからだろう?・・・
あれは・・・確か、わたしが4歳になる少し前の事。
「おねえちゃん、ぴあのかして?」
「エッ、また〜」
「かして!かして!」
「う〜ん・・・しょうがないなぁ」
「ぴあの!ぴあの!」
「ハイ・・・でも、あたしのたからものなんだから、たいせつにつかうんだよ?」
「はぁい!」
おねえちゃんの玩具のピアノ。
わたしはピアノを弾くおねえちゃんの姿が好きだった。
だから、その真似事をしたくて、いつも玩具のピアノを弾いていた。
弾くというより、ただムチャクチャに叩いていただけだったけど・・・
そんな或る日、
おもいっきり叩いていたせいで、ついに「ファ」の音が出なくなってしまった。
でも、おねえちゃんんはわたしを怒らなかった。
「おね・ちゃん・・・ごめん・・なさいヒック・・ごめんなさい・・」
ワンワン泣きながら謝るわたしに、
「いいんだよぽっぷ。・・ね、だから泣かないで」
そう笑顔で言って、わたしのあたまを撫でてくれた。
でも、わたしは知ってる。
その後、おねえちゃんはひとり部屋に篭り、声をころして泣いていたのを・・・
おねえちゃんを泣かせてしまった事が、
胸が締め付けられるように、辛かった。
明くる日の夕方、私は熱を出してしまった。
おとうさんは仕事、おかあさんも買い物で留守にしていて、
家にはおねえちゃんしか居なかった。
「もうすぐおかあさん帰ってくるから、もう少ししんぼうしてね。」
おねえちゃんは氷水を作り、頭にのせてくれた。
そして、わたしの手をギュッと握っていてくれた。
でも、どんどん熱は上がって、とうとう痙攣まで始まってしまった。
・・・薄れゆく記憶の中で、おねえちゃんがわたしの名前を何度も呼ぶのが聞こえた・・・
気が付いたとき、既にわたしは病院にいた。
薄っすらと開ける目に、おかあさん、おとうさん、
そして、一番近くで、やはりわたしの手を握っているおねえちゃんの姿・・・
「ぽっぷ、気が付いた?」
「ぽっぷ、良かったな。熱も引いたし、これで一安心だな。」
「・・・・・」
おねえちゃんは黙って、びっくりしたような顔でわたしを見ている。
「どうしたの?ぽっぷになにか言ってあげなさい?」
「・・・・死んじゃうかと思ったの。・・あたしヒック・・・あ・たし・・」
そしておねえちゃんは泣いた。おもいっきりワンワン泣いた。
こんなに泣いているおねえちゃんを見るのは初めてだった。
ふと、その右手が包帯でぐるぐる巻きになっていることに気づいた。
「ぽっぷ、おねえちゃんはな、おまえが震えだして、歯を食いしばったとき
 一緒に唇まで噛んでしまうから、自分の指をぽっぷに噛ませて、それを食い止めたんだよ?」
「ホント、割り箸とか脱脂綿とか、ほかにも方法はあったのに・・・」
でも、いつもその後についてくる「ドジなんだから」はおかあさんの口から出てこなかった。
そのかわり、自分で
「いやぁ、あたしってドジだからさ、アハハハ」
と照れ笑いするおねえちゃんの目からはまだ涙が溢れていた・・・

翌日、退院してきたわたしは、何故かおねえちゃんの名を呼び捨てに呼ぶようになった。
自分なりのおねえちゃんへの感謝(何が?)と照れ隠しのつもりだったのかなぁ?
・・・これは、ホントに「この時のあたし」に聞いてみなけりゃ判らないかも・・・
でも、これだけは自信をもって言える。
「この時のあたし」も「今のわたし」も「未来のわたし」も・・・

み〜んな、おねえちゃんのことが大好きだってこと。

25 名前:12 投稿日:2003/10/20(月) 01:36 ID:???
いつまで続くか毎日更新・・・

>>23 さん
思うところ、どれみさんって意外と結構モテてるんじゃないかなーと
その分「せつない」思いをしている人が結構いそうな・・・
と、思っての第一号さんでした。
(余談ですが、13の方と同じ方ですよね?こんな駄長文に即レスして下さる方なんて
 そうはいないでしょうから・・・違ったらゴメンナサイ・・・でも感謝です。)

26 名前:うのひと 投稿日:2003/10/20(月) 03:54 ID:???
ぽ、ぽっぷたんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!

す、すいません。つい取り乱しました。
「熱で痙攣」とかそこまで描写する理由あるんかな?とか思いつつ
読み進めると、ああそうなのか…どれみさん…とホロリ。
そんなむやみに長文なわけでもないのに話としてきっちりと
まとまっていて、すごいなぁと思っておりますよ。

あと、もう一個すいません。>>13>>20>>23も僕です(*´ー`*)テヘ
僕のレスばっかで申し訳ないと思いつつも…楽しみにしてますんで
無理のない範囲でがんばってください。

27 名前:林りょうたの場合 投稿日:2003/10/21(火) 03:22 ID:???
もしかして、彼女はほんとうに「魔女」なのかも・・・

あともう少しで夏休みという頃のこと
「りょうた、あの話考えてくれた?」
「う・・ん」
「もうすぐ中学だし、本気で将来のこと考えないとだよ?」
2学期になったら塾へ通えという、母の話。
最初のうちは「冗談じゃない」「今更勉強なんかしたって」と突っぱねていた。
でも、成績は下から数えた方が早いし、取柄といったらあいも変わらず「怪獣好き」だ。
今、自分から「怪獣」を取ってしまったら、一体何が残るだろう?
本当に今のままで良いのだろうか??
今の自分に将来への自信が持てるだろうか???
・・・・・
そう思うと、母の話を素直に受け入れるしかないのかもと思った。

翌日、学校からの帰り道。
「りょうたくーん」
・・?・・この声は・・確か
今はクラスが変わってしまったが、以前は自分の背後からしきりに聞こえていた声
「おはよー」から始まって、休み時間は勿論のこと、授業中までも聞こえていた・・・
ふと、聞こえなくなると、すぐさま前方から「白い弾丸」が自分の真上、真横を通過していったっけ
「あのさぁ、お願いがあるんだ」
「何?」
「怪獣図鑑を貸してほしいんだぁ」
「うん、いいよ。・・・でもどうして?」
「・・いやぁ、あたしが読むんじゃ無いんだけど、ハナちゃんが恐竜にハマッちゃってさ」
「ハナちゃん?・・ああ巻機山さんか・・・へぇー」
前から思っていた。
何でこの娘はいつも「誰かのため」に何かしてるんだろう?と
何故なんだろう?
「・・・くん?・・おーい!聞いてる?」
「あ、ご、ごめんごめん」
「・・・りょうたくん、なんか元気ないね?・・どうかしたの?」
「いや・・別に」
「・・・そう・・」
「・・・・・」
「ホントにない?・・・悩みだったら相談に乗るよ。だから
「いいじゃん、君にはカンケーない事なんだから・・・放っといてくれよ」
「あっ、ゴメン・・余計な事だったよね。・・でも
彼女はまだ喋り続けていたが、構わず僕は走り出していた。
図星だった。
だっただけに、そのお節介心が無性に腹立たしかった。
ふと、少し離れたところで振り返ると、彼女は立ち止まったまま僕を見ていた。
少し悲しそうな顔で・・・

その夜、夢を見た。
でも、いつもの怪獣の夢ではなかった・・・
「ねえ、りょうたくん」
彼女だった。
でも、不思議な格好をしている・・・なんていうか、仮装行列なんかに出てきそうな
敢えて言えば「魔女」のような格好。
「悩み、あるんでしょ?話してほしいな」
それはまるで、昼間の続きのようだった。
「ハハハ・・・君は夢の中でまでお節介なんだなぁ・・・」
諦め半分で僕は話し始めた。
親に塾へ通えと言われた事、将来の事、
そして、怪獣しか取柄が無い自分に自信が無くなってしまったこと・・・
「でも・・・本当に怖いのは、そんな日常に自分に慣れてゆく事・・・
 いつしか怪獣から心が離れて行ってしまうんじゃないかって・・・」
ずっと黙って聞いていた彼女が口を開いた。
「人はみんな大人になって、子供時代に好きだった事や大切な出来事を「思い出」に詰め込んで
 忘れていってしまう・・・でも、あたしはそうじゃないと思うんだ。
 ほんとうに好きなことなら大人になっても、お婆ちゃんになっても絶対に忘れない。そう思う。
 心のたからものは自分が好きであり続ける限り、きっとずっと輝き続けてくれるから。」
ふと彼女を見ると、彼女のその手に「怪獣図鑑」があった。
「りょうたくん、怪獣デザイナーになるのが夢なんでしょ?
 だったらさぁ、その夢の為に頑張ればいいじゃん!」
解かっていた答えなのに、なかなか見つからなかった答え。
やっと探し当てた。
そう、いつも「誰かのため」に魔法を使う「魔女」のおかげで・・・

2学期、僕は塾に通い始めた。
そんなある日の学校からの帰り道。
「りょうたくーん」
彼女の声だ。
「ゴメーン、これ2ヶ月も借りちゃってて・・・ハナちゃん読み終わったから返すね。」
「うん、いいっていいって」
「ホントごめんね。ありがとう」
そう言って走り去る彼女を見ながら・・・青くなった。
「怪獣図鑑・・・一体いつこの本貸したっけ?」

28 名前:12 投稿日:2003/10/21(火) 03:43 ID:???
これ書く為、久々に「どれみ」本編観ました。3ヶ月振りぐらいかな?
オープニング流れてきただけで ・゚・(ノД`)・゚・
やっぱまだ免疫出来てませんです。

>>26 うのひと さん
やはり同じ方でしたか。いつもありがとうございます。
でも、こうやって感想レスして下さる方が居るっていうのは本当に有難いですし、
「書いてよかったー」と、また次を書く励みになっておりますよ。
上手く言えてませんが、ホント感謝です。

29 名前:瀬川おかぷの場合/1/2 投稿日:2003/10/22(水) 01:39 ID:???
わたしは魔女。正確には・・・見習い魔女。

今日も憂鬱な学校。
今日も教室では「あの」話題で持ち切りだ。
それは、憂鬱の元凶。
私達と同じ年の子が、次期女王候補である魔女の赤ん坊を育て、
そして今、先々代女王を目覚めさせようとしていると・・・
しかも、魔女見習いの人間が、だ。
魔女である私達ですら出来ない事に挑み、成し遂げ、そして打ち勝つ。
それは、まるで演劇の「英雄伝」を演じるかのように・・・
正直、不愉快で仕方なかった。
でも・・・
そいつはどんな魔法で魔女の子を育てたのか?
どんな魔法で先々代女王と対決したのか?
好奇心旺盛なわたしの興味心をいつも揺さ振っていた。
・・・会ってみるのも悪くないな・・・
或る日、彼女は人間界への扉を開けた・・・

「何処だここは?」
そこは、何か雑貨屋のような店の中だった。
そこには赤毛の変わった髪型の少女と紫の服を着た少女が見えた。
「あれが噂の魔女見習いか?」
と、思わず大きな声をあげてしまった。
「・・おんぷちゃん、今何か言わなかった?」
「ううん、何も言ってないわよ?」
「ふーん・・・気のせいかなぁ??」
「ウフフ・・・あ、もうこんな時間・・・お仕事に行かないと・・・」
「ふぇ〜ん・・・ついにあたしひとりになっちゃうー」
「本当にゴメンなさい。」
「いいって、いいって、今度おんぷちゃんにステーキ奢ってもらうからさ」
「もー・・・そればかりなんだから」
「ジョーダン、ジョーダン、お仕事がんばってね!」
「うん、ありがとう。じゃ、いってきまぁす。」
そう言って、紫の子は出て行ってしまった。
「なんなんだあれは?フツーの会話・・・あたしたちと同じじゃないか」
常に魔法の鍛錬をし、魔法の勉強に勤しむ彼女たちの姿を想像していたわたしは、
なにか、腑抜けな感じになってしまった。
でも、実は今は秘めた力をセーブしているだけで、本当は・・・
今が試すチャンスかも知れない。
そう思ったわたしは・・・

30 名前:瀬川おかぷの場合 2/2 投稿日:2003/10/22(水) 01:40 ID:???
ガチャ・・・MAHO堂のドアが開いた。
「・・・・・・」
「・・・? あれ、おんぷちゃん、なにか忘れ物した?」
わたしはあの紫の少女に化けていた。
「勝負しろ!」
「・・・へ?」
「聞こえないのか、もう一度言う、わたしと勝負しろ!」
「・・・どしたの、おんぷちゃん?ジョーダンきつい
言い終えるまもなく、パチンと指を鳴らし、途端、短剣が彼女を襲った。
「ひっ」
タン、タン、タン、タン・・・壁に貼り付けにされてしまった。
「どうして魔法を使わない?どうして魔法でかわさない?」
彼女はおんぷの異常な行動、言動と、目の色の違うことに気づき、
それがおんぷの偽者だということを悟った。
「・・・どうして?なんでこんなことするの?」
「おまえと勝負がしたいからだ」
「違うでしょ?・・・だったら何でおんぷちゃんに化けたの?」
「それは・・・・・・」
何故だろう?・・・何か心が見透かされているようだった。
「魔女さん・・でしょ?こんなコト出来るんだもん!」
「・・・・ああ」
「スゴーイ!あたしたちと同じ年くらいなのに・・・呪文も言わずに魔法が使えるなんてさ!」
「・・・はぁ?」
「・・・って、元々魔女なんだからあたりまえか・・・アハハ」
ひとりボケ、ツッコミ・・・もちろんまだ貼り付けにされたまま・・・
「・・・おまえって、ヘンなヤツだな・・・アハハ」

彼女はわたしに話してくれた。いままでの出来事を
魔女見習いになった事、魔女の証の水晶玉を失ってまで100年の眠りに就いてしまった親友を救った事
魔女の赤ん坊を育てた事、そしてその別れが辛かった事・・・
楽しかったこと、嬉しかったこと
辛かったこと、悲しかったこと
それは、彼女にとって、ひとつひとつが大切な「たからもの」のように・・・
わたしには眩しいほどに輝いて見えた。

「先程はすまないことをしてしまった。申し訳ない。」
「いいって、いいって、あたしたち友達じゃん!」
「・・・トモダチ・・か・・」
顔が熱い。
きっと、今わたしはスゴクみっともない顔をしてるだろう。
でも、不思議とイヤな気分はならなかった。
会う人をそんな「素直な気持ち」にしてしまう、
そうなんだ・・・このコは術を使わずとも、心に響く魔法を持っているに違いない・・・
「そうだよ!・・・えっと、まだ名前聞いてなかったネ。あたしは春
「まて、今は・・・」
「エーなんで?」
「お互い立派な魔女になった時、名乗り合おう」
「・・・うん、わかった。」
いつのまにか窓の外は黄昏色。
わたしと彼女は魔女界への扉の前で・・・
それじゃね「魔女のおんぷちゃん」
ああ、必ずまた会おう・・・「魔法を使わない魔女さん」
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声でわたしは言った。
「えっ、ナニナニ?」
その問いには答えず、煙幕と共にかき消えてしまった。

わたしは魔女・・・正確には見習い魔女。
いつかきっと「心の魔法使い」になり、
彼女と本当の友として語り合う日が来るまでは・・・

31 名前:12 投稿日:2003/10/22(水) 01:50 ID:???
という訳で、食玩の誤植ネタが今回の主人公ですが、如何なもんでしょ?
(実はコレ、某Q&Aスレに私が書いたつまらんネタを基にしてみました。)

32 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/10/22(水) 01:58 ID:???
まさかこの段階でおかぷネタをやるとは予想もしてませんでした。w

33 名前:うのひと 投稿日:2003/10/22(水) 04:38 ID:???
>>27
たしかに言われてみると無印の頃は
どれみが男の子と接している話は意外に多いですね。
でもこうして見るとどれみさんはなかなか罪作りな少女ですね(笑
無意識のうちに少年を惑わせてる人だなぁ(;´ー`)
ほんとはすごく残酷なことなのかもしれないですね。優しいってことは。

>>29-30はまたずいぶんと違う方向から来ましたねえ。
かろうじて僕も「おかぷちゃん」は知ってましたが(笑
「おかぷちゃん」という素材(?)に対して真正面から挑む意気!
やはりただものではありませんね!?(´ー`)

34 名前:万田じゅんじの場合 投稿日:2003/10/23(木) 02:03 ID:???
おんなのこって、やっぱりコワイ・・・

「あー、カッコわるいなぁー」
暑い夏の日、僕は美空デパートへと向かっていた。
しかも、姉のズボンを穿いて・・・
昨日、みんなとサッカーをして居た時、ズボンを派手に破いてしまったからだ。
「じゅんちゃん、かわりにわたしのズボン穿いてきなよ」
姉との洋服の貸し借り。
昔・・・いや、ちょっと前まではこんな事フツーにちょくちょくやっていたのに、
さすがに6年生にもなると恥ずかしくなってきた・・・
「こんなのクラスの誰かに見られたら・・・早く新しいズボン買って来よう。」
そんな時、不意に肩を叩かれた。
・・・言ってるそばからかヨ
「やっぱり」
振り向くと、そこにはワンピースに麦わら、そして腰まで届く赤毛の少女が立っていた。
・・・誰だろう?
「ようこちゃんもお買い物なの?・・・実は、あたしもなんだ」
ゲ・・・よ、ようちゃんと間違われてるぅー
ってことは、このコはようちゃんの知り合いか?
どうしよ・・・ちゃんと言わないと
「あ、あのぼく
その言葉を遮るかのように、彼女は言った
「ね、ねぇ・・あのさ・・ようこちゃん・・お買い物付き合ってくれないかな?」
うつむき加減で・・何故かちょっと顔を赤くして・・彼女は言った。
・・・か、かわいい・・・
・・・ゴメンようちゃん。もうチョットだけようちゃんで居させて・・・

「いやぁー、正直たすかったよ。ようこちゃんに会えて。」
「え、何で?」
僕は少々声色を変えて彼女に聞いた。
「最初はさ、恥ずかしくって、クラスの男子にバレちゃったらヤだから
 普段しない格好で変装までして「ひとりで買いにいくんだ」って決心したんだけどさ・・・
 でも、いざ、来て見ると決心が鈍っちゃって・・・」
「そうなんだ。」
一体なにを買いに行くんだろ?・・・恥ずかしい?って・・・まっ、まさか・・・
「ようこちゃん・・・あのさ・・その・・ブラジャーってしてる?」
・・・悪い予感が的中した・・・

美空デパートの子供下着売り場の一角。
彼女が品定めをしている間、僕は適当に相槌ちをうっていた。
ずっと下を向いたままで・・・
顔から火が出そうだった。ハズカシイ
そうだ、これはきっと罰が当たったんだ・・・
・・ようちゃんのフリをした僕に・・かわいい女の子に目が眩んだ僕に・・
・・・この日ほど僕は「神様はちゃんと見てるんだ」って思ったことはなかった・・・

帰り道、
「ほんとは、あたしもまだなんだけどさ、おかあさんが「準備だけはしておきなさい」って
 言うから・・・仕方なくネ」
「う、うん・・そうなんだ。」
まだ僕は俯いたまま・・・
「ようこちゃんもさ、そろそろじゃない?・・でも、弟のじゅんじ君が居るから、そういうの
 って気になっちゃうよね。」
彼女は僕がずっと俯いていることを「自分がまだだから恥ずかしがっている」と誤解をしていたらしい。
正直、たすかった・・・良かった、ばれなくて・・・
「今日はホントにありがとう!じゃ、また学校で」
そう言って彼女は走って帰っていった。
そして、僕は「ようちゃんのフリ」という重圧から開放されて、その場にへたり込んでしまった。
「あ・・・僕のズボン・・・買うの忘れた」
仕方なしに、フラフラと元来た道を戻ってゆくじゅんじであった。

2学期
僕はようちゃんと学校への道を歩いていた。
「おーい、ようこちゃーん」
後ろから、見慣れたお団子頭の少女が走ってきた。
「この間はありがとね。」
と言い、軽くウィンクして、前を歩いている飛鳥さん達に向かって走っていった。
「んー?この間って?・・なんだろ?」
という姉の声に焦りながらも
それ以上に、彼女を見ながら僕は驚いていた。

・・・あの時の娘って・・・まさか・・・

35 名前:12 投稿日:2003/10/23(木) 02:44 ID:???
ちょっとこっ恥ずかしいネタに挑戦。如何なもんでしょ?

>>32 さん
新たなお客様かな?超即レス感謝です。
実はこの「おかぷ」ネタは最初の「はづきの場合」よりも前に考えてた物でして・・・
しかし、初っ端からこんなの書く訳にもいかず、ずっとガマンしていた次第です。

>>33 うのひとさん
いつも感想ありがとうございます。
どれみさん自身、恋に焦がれる少女でありながら、反対に好意を持たれる側になると超鈍感・・・
罪だなぁ、と思いつつも、これもひとつの「どれみさんの魅力」なんじゃないかなぁ?
とも思ったりします。

おかぷネタ反響良かった(当社比2倍)んで、もうひとりの隠れキャラもやってみようかな?
と言ってみるテスト。

36 名前:中山しおりの場合 投稿日:2003/10/24(金) 21:30 ID:???
春が来た、春が来た、何処に来た・・・

あれ、
さっきまであんなに苦しかったのに・・・
今はとっても心地良い・・・何故だろう?
「・・・ここ何処?・・・わたし・・・どうしちゃったんだろう?」

ふと、誰かに呼ばれたような気がして、振り向く・・そこには・・・
ぼんやりとした記憶から、
まるで無くしていたパズルのピースが次々と埋められていくかのように
あたたかいぬくもりの記憶が蘇ってゆく。
「・・・ま・・ママ・・・・」
わたしは泣いた。おもいきり泣いた。
いとおしくて仕方が無くても、決してすることが叶わなかった
母の胸に抱かれながら・・・

わたしはママと話した。
いままでの出来事を、
時には笑い、時には涙しながら
心の時刻が満たされてゆくように
たくさん、たくさん・・・

そしてママは、立ち上がり、少し離れた所でわたしを手招きした。
わたしはニッコリ笑い、ママに近付こうとした。
でも、何故かそこへ行くことが出来なかった。何故?・・・!
わたしの右手を、誰かに掴まれていることに気づいた。
「・・・イヤ、離して・・わたし、ママのところへ行きたいのに・・」
「・・・ダメーッ!!」
力いっぱい、振り絞るかのような叫び声に「はっ」とした。
それは、魔女衣装を身に纏った、わたしの良く知る少女だった。
「だめだよしおりちゃん!今、お母さんのとこへ行っちゃったら
 もう元の・・・わたしたちのいるとこへ戻れなくなっちゃう!」
そうなんだ・・・わたし・・・もう・・・
「・・・もういいよ・・・わたしママのとこへ行きたい・・・」
でも彼女は頭を横に振って、叫んだ。涙をいっぱいに溜めて
「・・イヤだよ・・そんなの・・・あたし負けないから!」
そう言って、わたしを力いっぱい抱きしめた。
「・・・負けないから・・しおりちゃんも頑張って!お願い!!」
その時、何処からか、音色が聞こえてきた。
不器用だけど、真直ぐわたしの心に響く・・・春が来た・・だった。
「・・ありがとう・・・でも・・・」
「・・・しおり、ママはいつでもあなたを見守っていますよ。
 ・・・だから・・・戻りなさい・・・あなたの生きるべき世界へ・・・」
ママはそう言って微笑んだ。
「・・ママ・・・ありがとう。」
涙でぼやけたママがゆっくりと霧の彼方へ消えていった。
「さあ、もどろう!みんな待ってるからさ!」
「うん」
ありがとう、ママ・・・ありがとう、夢の中の魔女さん・・・

ふと気がつく
パパが、みんながわたしを見ている。
「しおり」「しおりちゃん!」「良かった」
口々に喜びの言葉をあげる。
・・・わたし、戻って来れたんだ。
「これ、しおりちゃんへのプレゼントだよ」
素敵な髪飾りだった。

・・・ひょっとしたら、これが見せてくれた「魔法」だったのかな?・・・

37 名前:12 投稿日:2003/10/24(金) 21:42 ID:???
キラキラ星話の時、いつもなら「マジカルステージ」ってなるだろう所で、
何故かどれみさんだけが魔法を使った。
ってとこからのネタです。
(おそらく一人魔法にした「意図」とは反比例してしまうだろうと思いますが・・・)

38 名前:芝山みさきの場合 投稿日:2003/10/25(土) 00:00 ID:???
「とびっきりの魔法、ちゃんと効いたよ!」

いままでは、友達の延長戦みたいな関係だった。
ぼくもそれで良かったし、満足してた。
でも・・・いつからだろう?
あのコに・・・「好き」という気持ちを抱き始めてしまったのは?
しっかり者で、やさしくて、みんなの人気者。
彼女を好きな子は、きっといっぱいいるはずだ。
・・・そして、彼女にも好きな子が・・・

そんな事を考えながら歩いていると、見覚えのある古い洋館の前に立っていた。
「ここって、確か・・・」
そうだ、お兄ちゃんのプレゼントを買いに来たっけ・・・
そういえば、彼女もここでお手伝いをしていたなぁ
でも、今は空き家。
「お店、やめちゃったのか・・・」
ふと、振り返ると、入り口の花壇にきれいな花が咲き揃っていた。
「きれいだなぁ・・・」
まるであのコのように、朗らかに・・・
「お花、好きなの?みさきくん」
え、あ、誰だろう?
「あーっ、ヒドイんだ、あたしの事忘れちゃったのぉ?」
美空高校の制服を着た、お団子頭の・・・あっ
「パンダのキーホルダーのお姉さんだぁ!」
「そうそう!・・・って、アレはサッカーボールですぅ」

お店の前の階段に腰掛け、ぼくはお姉さんに打ち明けた。
幼稚園の頃から友達だった女の子を、いつしか「好き」になってしまったこと
そのコには、今は遠く離れた所に住む彼氏がいること・・・

「・・・うーん、むずかしいねぇ」
お姉さんは上着のポケットからキャラメルを取り出し、ぼくに勧めながら続けた。
「・・でもさ、みさきくんがその気持ちを伝えなかったら、そのコも
 みさきくんのその「本当の気持ち」に気づかないままだよ?・・それでもいい?」
「・・でも、もし、ぼくが告白しちゃったら、そのコ・・・きっと困っちゃう」
暫くの沈黙の後、お姉さんはフッとため息をし、微笑み、
でも、ぼくを真直ぐ見つめながら話を続けた。
「きっと、困っちゃうだろうね。・・・
 でもさ、このまま自分の気持ちにウソをつき続けながら生きてゆくより、
 自分の気持ちに素直になって、ありのままの「想い」をそのコに伝えることが出来たなら・・・
 それでさ、その結果がYESでもNOでも後悔はしないと思うよ。」
その一瞬、お姉さんの顔が、あのコの顔に見えた・・・気がした。
「・・・うん、ぼく伝えてみる。ホントの気持ちを」
「よぉし」
そう言って立ち上がると、両手を大きく上げて
「フレーッ、フレーッ、み、さ、き、それ頑張れ、頑張れみさき・・・」
応援団顔負けの大きな声で、お姉さんは叫んだ。
ちょっと照れくさかったけど、でも、勇気が出だ。
「ありがとう、お姉さん」
「イヤイヤ・・・でも、ホント頑張んなよ!応援してるから!!・・・あ、そうだ」
「なに?」
「勇気の出る、とびっきりの魔法をかけたげる!」
と言い、ぼくに目を瞑らせた。
・・・!!・・・
瞬間、頬にあたたかい温もりが伝わってきた。
「ピーリカピリララ、みさきくんに告白する勇気を・・・じゃあね!」
そういって、走っていってしまった。
「・・・いまのって、いまのって・・・キ、キ・・・」
頬を抑えたまま、あたりが暗くなるまで、その場から動けなかった。

「ごめん、みさきくん・・・やっぱりわたし、きみたかの事が・・・」
解かっていたこたえ・・・
でも、その気持ちは何故か晴れやかだった。
・・・うん、よかったんだ・・・これで・・・
「・・・ねえ、ぽっぷちゃん・・・魔法って信じる?」
「・・えっ!・・・うん、信じる!」
あの日・・・お姉さんに出会った時のことを思い出し、ぼくは空を見上げて言った。

「昔さぁ・・・ぼく、魔女と一緒に空を飛んだんだぁ」

39 名前:12 投稿日:2003/10/25(土) 00:03 ID:???
うーん、どんどんマイナー路線を進んでゆく・・・
設定は、みさき君・・・小6、どれみさん・・・高1
ってな感じで、初めて未来が舞台となった訳ですが、如何なもんでしょ?

40 名前:小泉まりなの場合 1/2 投稿日:2003/10/26(日) 01:47 ID:???
花言葉は「友情」

私はお花が大好き。
学校の校庭にはすてきなお花がたくさん
みんなとってもきれい。みんなとっても大好き。

「さあ、みんなの好きなものは何かなぁ?」
図工の時間、先生は生徒たちの思い思いの絵をみてまわった。
「あら、小泉さんはチューリップね」
「はい、わたしお花が大好きだから」
「そう・・とっても上手に描けていますよ。」
「ありがとうございます。」
先生に初めて褒められ、私はとても嬉しかった。
そして、その私の絵が学年の代表として
市のこども作品展に出品される事になった。
この事がきっかけで、引っ込み思案だった私にも
話し掛けてくれる友達が出来た。
「ほんとによかった」

そんなある日のこと
掃除の時間、私は教室の床拭きをしていた。
すると、廊下からわいわいと声が聞こえてきた。
クラスの男子と、それに負けず劣らずのお転婆なあの女の子の声だった。
チャンバラごっこ・・だろう・・
「・・もう、男子達ったらしょうがないんだから」
垂れた左前髪を掻き揚げ、少し大人びた表情で彼女は言った。
わたしの一番最初の友達。はづきちゃん。
2人で顔を見合わせて微笑んでいると、
「・・・うわっバカ・・・あーっ・・ビリビリリー・・・」
男子の叫び声と、何かが破れるような音・・・
私は真っ青になり、廊下へ飛び出した。
「・・・・・・・・」
「あーっ!まりなちゃんの絵が!!」
驚きで何も言葉が出ない私の代わりに、はづきちゃんが叫んだ。
そう、そこには作品展に出品する私の絵が貼り出されていたのだ。
そしてそれが、グチャグチャに切り裂かれていた。
「・・・ごめんなさい、あたしが・・・あたしが破っちゃったの」
その犯人は意外にも男子ではなく、あの子だった。
でも・・どうでもよかった・・そんなこと・・
「ホントに、ホントにごめ
その子の言葉を最後まで聞き終えることなく、私はその場から走り去った。
泣きながら・・・

41 名前:小泉まりなの場合 2/2 投稿日:2003/10/26(日) 01:48 ID:???
家に帰っても、泣き続けた。
・・私が初めて褒められた絵だったのに・・
・・友達が出来るきっかけを作ってくれた絵なのに・・
「まりな、お友達がきているわよ」
母の声に、窓の外を見ると、そこにははづきちゃんと・・・あの子がいた。
私は咄嗟に
「今居ないって言って」
と言ってしまった。
きっと、あの子はあやまりに来たに違いなかった。でも・・・
「・・・小泉さん、本当にごめんね。あたし、あたし・・・」
窓の外から大きな声がした。あの子が叫んでいた。
見ると、はづきに項垂れて泣いているあの子の姿が見えた。
そして、暫くすると彼女達はとぼとぼと帰っていった。
心の奥が・・・辛かった。

なんであんな態度を取ったんだろう?あの子は謝っているのに・・・
絵なんて、また描き直せばいいのに・・
つまらない事に意地を張っちゃって・・・悪い癖。
・・・謝ろう、明日・・・あの子に。

翌日、
グシャグシャになって破れていた絵は、
丁寧にテープで裏張りされ、皺もきれいに伸ばされて
元のようにまた、廊下に貼り出されていた。
「これ、あの子がやったのよ・・・」
はづきちゃんが私の後ろから、そう優しく語り掛けた。
・・・謝らなくちゃ・・・謝らなくちゃ・・・
でも、彼女の姿は教室になかった。
風邪を引いたらしい・・・
・・・私のせいだ・・・

放課後、私はあの子の家を訪ねた。
「今、お薬飲んで寝ちゃったところなんだけど・・・良かったら看てってあげて」
あの子のお母さんはそう言い、私を部屋へ案内してくれた。
「・・・ふぅー・・ふぅー・・・ふぅー」
辛そうに息をしているあの子を見て、
私は胸が締め付けられるように苦しかった。
「「ごめんね」」
・・ふと、私が口にした言葉と、あの子の寝言が重なった。
「ごめんなさいね、心配掛けちゃって」
「そんなこと・・・ないです」
そうだ・・・私のせいなんだから・・・
「何かね、この子ったら柄にも無く、昨日の夜、一生懸命に拵え物してたみたいなのよ」
ふと、机の上を見ると・・・紙粘土で作った・・・チューリップのブローチが・・・
「早く寝なさいって言ったんだけど、「ダメなの、これで仲直りするんだから」って言って
 聞かなかったのよ・・・まったく、強情っぱりなトコ、誰に似たんだか」
・・・私のために・・・涙が止まらなかった・・・

翌日、
お隣の庭木に花が咲いている。ハナカイドウ
これをあげよう。あの子との「仲直りのプレゼント」に・・・

「小泉さん、本当にごめんなさい」
「・・・ううん、私のほうこそ、意地張っちゃって・・・ごめんなさい」
そう言って、お互い笑った・・・ほんのチョットだけあの子がぼやけて見えた。
「これ・・あんまし出来は良くないけど・・・」
昨日のチューリップのブローチ・・・真心が嬉しかった。
「私からも・・これ、ハナカイドウっていうお花なの。」

その花のように、柔かく微笑み、2人は手をつないだ。

42 名前:12 投稿日:2003/10/26(日) 01:55 ID:???
うーん、ダラダラと長い割りに冴えない・・・
ちなみにハナカイドウ。「はづきの場合」で出てきた花も同じ設定です。

43 名前:矢田まさるの場合 投稿日:2003/10/27(月) 00:05 ID:???
「当分、月見団子は食えそうにねぇなぁ・・・」

「あーっ、もう・・・なんなんだよ」
美空小に居た時は、こんな事ぜんぜんなかったのに・・・
中学へ上がってからというもの、オレは正直困っていた。
・・・めんどくせー・・・

放課後の教室
まだ疎らに生徒たちが残っている。
そこでまた、オレは・・・困っていた
「・・・あの、・・・私と・・・私と付き合ってください。お願いします。」
顔も、名前も、クラスも・・知らないヤツ・・
なんでだ?なんかオレがしたか?
「・・・・やっぱり・・・ダメ・・ですか?」
涙目になる彼女
・・・んもう、かったりぃ・・・
「ワリィ、オレ、付き合ってるヤツ居るから」
「誰なんですか?」
食い下がる彼女
・・んなことカンケーないだろ?・・
・・・あーもう、どうにでもなれ!
オレは、すぐそばでヘラヘラと昨日のテレビの話で盛り上がっているアイツの腕を掴んで
「コイツと付き合ってんだ」
と言ってしまった。
・・・あーあ、やっちまった・・・

帰り道・・アイツと一緒だった。
幼稚園からずっと同じクラスなのに、こんな事は初めてだった。
考えてみれば・・藤原より・・長い付き合いなのに・・
「ねぇ・・矢田君?・・さっきの・・その・・ジョーダン・・だよね?」
「ああ」
オレの即答に、少しズッコケながらも
「じゃあ、なんであんなウソ言ったのさぁ?・・はづきちゃんというヒトが居ながらぁ」
「・・説明すんの、めんどくせーから」
「あっそ。・・矢田君らしいけど・・・・いただけないな」
と、アイツは悪戯っぽい笑みを浮かべて続けた。
「あたしの傷ついた「乙女ごころ」はどうしてくれんのさ」
オレは、一瞬ドキッとした。
「・・えっ・・あ・・・・ワリィ・・すまなかった・・・・ゴメン・・」
俺は謝った。でも、
「ウッソ。アハハハ」
当のアイツはカラカラ笑ってはしゃいだ。

「・・でもさ、大切にしなきゃダメだぞ!はづきちゃんのコト・・・
 ・・・もし泣かしたりしたら、あたしが許さないんだから!」
微笑んでいたが、目は真剣だった。
「んなとこ・・オマエに言われなくったって・・解かってる」
「うん、うん、解かってればヨシ!・・・んじゃ、また明日ね!バイバイ」
そう言って走り去ってゆくアイツを見ながら思った。

・・・もし・・もしも・・・藤原と出逢っていなかったら・・・
・・・お互いどうなっていただろう?・・・
そんな想いが、ふと浮かび、消えた・・・

夕焼けの秋空には、既に月が出ていた。
まるでアイツの団子頭のような「まんまるな月」が・・・

44 名前:12 投稿日:2003/10/27(月) 00:14 ID:???
あーゆう「見掛け不良っぽいヤツ」って妙にモテてたなぁ
と私の中学時代(遠い昔w)を思い出しながらの矢田クン編、如何なもんでしょ?

45 名前:奥山なおみの場合 投稿日:2003/10/28(火) 00:08 ID:???
大人の階段のぼる 君はまだシンデレラさ・・・

辛い・・話には聞いていたけど・・・こんなにツライとは・・
頭が痛い、おなかも痛い・・体に力が入らない・・ボーッとする
「・・・あーあ・・なんでわたし女の子なんかに生まれちゃったんだろう」
体育の時間。今日はバスケだった。
私が一番好きな科目・・一番得意な授業なのに・・休んでなんか居られない!
私は無理をして授業に出た。
でも、校庭に出た瞬間
天と地が揺らいだ・・目の前が白む・・・

気が付くと、そこは保健室。
傍らにゆき先生が居た。
「気が付いた?」
「・・・ハイ」
「ダメよ無理しちゃ。・・・恥ずかしがることなんて無いわ
 これは女性ならみんなが通る道なんだから」
「・・・恥ずかしいんじゃないんです・・ただ・・こんな事で・・
 自分の好きな事まで出来なくなるのが・・・
 ただ女の子に生まれてしまっただけでこんな思いするなんて・・悔しくって・・」
「そうね。私も初めはそう思った。
 でも、これは赤ちゃんを産むための・・女性だけに許された・・魔法なの。
 そう思うと、自然と辛くなくなったわ・・」
「・・魔法・・・かぁ・・」
授業を終えるチャイムが鳴る。
・・・あーあ、バスケ終わっちゃった・・・楽しみにしてたのになぁ・・
私はまだ、「女性の日」が来てしまった実感よりも、そのことが辛くて仕方なかった。

休み時間。
あの娘がやって来た。クラスで一番のお節介焼きの
「奥山さーん、だいじょう・・ぶへっ」
保健室に飛び込んでくるなり、転び
まるで野球選手のスライディングのように床に滑り込みながら・・あの娘は言った。
「あははは・・大丈夫、大丈夫!もう元気だから。」
「よかったー・・奥山さん倒れちゃった時、ホントビックリしちゃったんだから」
「ごめんね。」
「いいって、いいって・・あ、これ、着替え持ってきたから」
・・・どうして倒れた理由を聞かないんだろう?
この娘は・・・きっと「まだ」なのだろうに・・・
「ねえ、奥山さん・・・あのさ・・大人になるのイヤだって思ったこと・・ない?」
唐突に聞かれ、呆気に取られた。
まさに今、わたしが考えていた事と同じ問いだったから・・
「・・・うん」
「そっかあ・・奥山さんもなんだね。・・実はあたしも思ってた時があったんだぁ」
「どうして?」
「・・・んー・・どうしてって聞かれても、上手く答えられないんだけどさ・・・
 なんか・・自分が、自分の知らないトコへ行くみたいで・・ちょっと怖いの」
わたしと・・同じだ・・
「・・でもさ、イヤでも大人になっていくんだから、悩んだってしょーがないじゃん!
 自分が自分であり続けることを忘れなければ・・・
 想い続けている「自分」を見失わなければ・・・
 あとは、人生なるようになる・・・って思うようにしたんだぁ」
意外だった。
いつも笑って、いつも無邪気に走り回っているあの娘からは想像が出来なかった言葉。
・・・そっかぁ、悩みなんて誰にでもあるんだよね。
・・悩んで、悩んで、そして大人になる・・
そんな事を思っていたら、自分がなんて些細なことで悩んでいたんだろう?
って、ちょっぴり恥ずかしく思えてきた。
「なーんてね。なんかあたしらしくないっしょ・・こんな事考えたりして」
「ううん、全然そんなことない。
 そこまで考えられるなんて・・なんか尊敬しちゃうな」
その言葉を聞いて、あの娘はちょっと顔を赤らめ、頬を掻いた。
「エヘヘ・・・あ、もうすぐ5時間目始まっちゃう!」
「うん・・・いこっか」

2人が急ぎ足で教室へ戻る姿を見送りながら
「こらこら、あんまり急ぐと「ガラスの靴」が脱げちゃうぞ!」
と、ゆき先生はひとりつぶやいた。

46 名前:12 投稿日:2003/10/28(火) 00:10 ID:???
最近またCMで流れてる、「H2O」の曲から取った奥山さん編です。
つーか、殆ど本編の焼き直しですね・・・
なおみさんって言うと、どしてもこのテのネタしか浮かんで来なくて・・・ゴメンナサイ

なんで奥山さんが倒れたのに、どれみさんしか来なかったか?
この日があの「熱血ゆーか先生」の日で、3時間目の体育の時間から2組の生徒
(はづき、あいこ、おんぷ)達は出払ってた。
そして、心配になったももこ&ハナが2組の偵察に行ってしまった為・・・
という苦しい設定です。w

47 名前:渡部みちあきの場合 投稿日:2003/10/29(水) 01:51 ID:???
タネも仕掛けも・・・無いんだよな・・・

公園のベンチで頭を捻ること3時間半。
今年、町内会館でやるクリスマスマジックショー
ぼくは、そのメインステージを任されてしまったからだ。
「そのネタ作りなんだけど・・・うーむ・・・イマイチ、どれもワンパターンなんだよなぁ。
 どうにかしないと・・・うーん」
と、突然、彼の目の前を女の子が横切った。
「!?・・・あれは」
そう、間違いない。あんな奇抜な髪型なんて、そうあるもんじゃない。
「・・・でも、どしたんだろう?」
と思っていると、近くのトイレに飛び込んでいった。
「・・ああ・・それで急いでた訳か・・」
と、興味なさげに視線を外そうとしたその時、
「・・・あ、あれ?」
またトイレから飛び出してきた奇抜頭。でも明らかにさっきと違う。
「ま、巻機山・・だよな。あれ・・」
そして、その子はまたボクの目の前を横切って、行ってしまった。
・・・どうゆうことだ??
しかし、待てど暮らせど、トイレから「もうひとりの奇抜頭」は出てこなかった。
「こ、これって・・・うん、間違いない!」

翌日、学校、昼休み
ボクは奇抜頭の彼女の前へ行き、言った。
「キミ、ちょっと付き合ってもらえないかな?・・・ここじゃなんだし・・」
「エーッ、ナニ?」
と怪訝そうな顔をしながらも
「まぁ、ヒマだし・・いいよ。付き合ったげる。」
と付いて来てくれた。
・・・これから待ち受ける、過酷な運命など知る由もなく・・・

屋上
ボクは彼女に背を向けたまま口を開いた。
「・・ボク見ちゃったんだ・・・昨日、公園で・・・」
「・・・・・・み、見たって・・・ナニを?・・」
見えないが、おそらく狼狽しているだろう彼女の顔が浮かんだ。
「言っても良いのかい?・・トイレで巻機山と・・・」
振り返りながら続けて言う。
・・やっぱり・・彼女の顔は蒼ざめていた。
「・・・・・・・」
よし、あと一押し
「・・でも、君がボクの言うことをひとつ聞いてくれるんだったら
 ・・・この事は内緒にしても・・いいよ」
彼女はボクをキッと睨み、
「・・わかった。・・・なんでも言うこと聞くから・・だから・・・昨日の事は黙ってて、お願い。」
と、震えるように言った。
そして、覚悟するかのようにボクを見据えた。
・・・ヨシ、これでもうボクは・・・

「・・・じゃあ、教えてくれ。タネを」
「・・・・・へ?」
「・・タネだよ、タネ。昨日、公園のトイレで巻機山と入れ替わっただろ?あの手品のタネだよ!
 ボクだけに教えてくれれば、絶対誰にも種明かしなんてしないからさ。
 ・・今度の学芸会で1組が披露するんだろ?あの手品」
「・・・あ・・あハ・・エハハヘハハ・・・」
・・・彼女は何だか呆けた顔で泣きながら、意味不明の笑みを浮かべていた。

48 名前:12 投稿日:2003/10/29(水) 02:06 ID:???
彼のキャラ紹介で
「どれみたちの魔法を目撃しても、彼は手品だと思うだろう。」
ってトコから思いついた渡部編、如何なもんでしょ?

ヒョットシテダレモミテナカッタリ・・・「◎(*゚∀゚)◎<アヒャ」ダケデモジュウブンデス。ハンノウプリーズー

49 名前:★彡名無しっち♪ 投稿日:2003/10/29(水) 08:25 ID:???
◎(´・ω・)◎ノ he!

50 名前:小川よしみの場合 投稿日:2003/10/30(木) 02:22 ID:???
あの街を離れて・・もう3年になる。

私の人生をも揺るがす「事件」が起こった、あの街を・・
あのひと・・はどうしているだろう?
私を許してくれた、優しいひと
「必ず、またこの街へ戻ってくるから」
という私の言葉を、あのひとはまだ信じてくれているだろうか?
信じて待ちつづけて・・・いるのだろうか?・・・

5年生の夏、私はまた新しい街へやって来た。
「美空町・・か、」
お気に入りの自転車で、早速、街へと出掛けた。
穏やかな海岸線・・小高い岬・・高台の公園・・
「みんな素敵なとこばかり・・・良かった」
ふと曲がり角に差し掛かった時、
「・・・あ、あぶない!」
「・・?・・うわぁあ・・」
私は危うく飛び出してきた女の子とぶつかりそうになったが、なんとか交わせた。
「ご、ごめんなさい・・だいじょうぶ?」
「・・あ、平気、平気・・・じゃないよぉ・・卵が全部割れてるぅ〜」
彼女は道にへたり込んで、いまにも泣き出しそうな顔で言った。
「あ・・ごめんなさい・・私、弁償しますから」
「いいの、いいの・・あたしが悪いんだから」
「・・でも・・」
「・・あなた、今、ひまですか?」
「・・え、ええ」
「んじゃさ、悪いんだけど・・証言してくれないかな?この事」
「・・証言??」

私は彼女にMAHO堂というお菓子屋さんに案内された。
そこで、彼女がお遣いの卵を割ってしまった訳を説明した。
「んー・・でも、それは飛び出したどれみちゃんが悪いんじゃないかしら?」
「そやなぁ、いつもの事やし・・」
「そうそう」
「このコはワルくないヨ・・というワケで」
「「「「どれみちゃん、卵、もう一回買ってきて。自腹で」」」」
彼女の友人らしき4人に責められている彼女を見て
「私がボーッとしてたから悪いの。だから私が・・」
関西弁の女の子が
「ええのん、ええのん・・どれみちゃん、いつもこうなるねんから」
と手で制した。
「・・・もーう、みんなしてあたしの事を・・いーですよー、
 どうせあたしはドジですから・・も一回買って来まぁーす。」
「私も・・一緒に行く」

私と彼女は、スーパーからのかえり道を歩きながら・・
「そいえばさ、自己紹介まだだったね。あたし春風どれみ。ヨロシク」
「・・私は、よしみ。小川よしみ。よろしく」

51 名前:小川よしみの場合 2/3 投稿日:2003/10/30(木) 02:25 ID:???
私は話した。
父の転勤で、3年生まで住んでいた京都を離れ、
この2年間で名古屋、大阪、福岡、と転校を繰り返し、
この美空町にやって来たこと。
そして、その度に友達との別れが辛かったことを・・・

彼女も話してくれた。
訳あって、遠い親戚のお店を手伝っていること。
グッズショップ、フラワーショップ、そして今のスゥイートハウス
そこで4人の大親友達にめぐり会えたこと。
そして、かけがえのない、たくさんの出来事があったことを・・・

その時、ふと思った。
・・・なんだかこの子・・なつかしい匂いがする・・・
なんだろう・・この感じは?・・・
おっちょこちょいだけど、芯が強くて・・そして、
どことなく「母親」を連想させるような優しさと温かさ・・
彼女の親友達も、きっと彼女のそんなところに惹かれたのだろう。

「あのさぁ・・よしみちゃん。もし良かったら
 あたし達と一緒にお店を手伝ってくれないかな?・・ダメ?」
「・・うん、夏休み中は特に用事もないし・・いいよ」
「よっしゃあ、じゃ決まりだネ」
こうして私は、翌日から「スゥイートハウスMAHO堂」のお手伝いをする事となった。

・・・どれみちゃん・・かぁ・・なんだかとっても素敵な友達になれそう・・・

翌日、MAHO堂へと出掛けた。
料理が趣味だった私は、お土産にクッキーを持っていった。
「うん、とってもおいしわ」
「なかなか、いけてるわぁ、ウマイウマイ」
「ウン、ほんとじょうズに出来ているワ・・お店に出せるくらいネ」
「ホントね・・だれかさんのとは大違いね」
「・・・それどーいう意味さ、おんぷさん!」
アハハハハ
・・・良かった、喜んでもらえて・・
・・あのひとが教えてくれた・・大切な思い出のクッキーだから・・
・・嬉しかった。・・・

それからは毎日、MAHO堂へ来ることが楽しかった。
はづきちゃん、あいちゃん、おんぷちゃん、ももちゃん
みんなともすぐに打ち解けた。
時には、お手伝いを失敗してしまうこともあった。
でも、みんな笑って励ましてくれた。
みんなと過ごす時間・・・それが、私には嬉しくてしょうがなかった。
そして、私はいつしかこう思うようになった。
「もし、願いが叶うなら・・この時間をずっといつまでも過ごしていたい。」
・・・でも、その願いは叶うことがなかった。・・・

52 名前:小川よしみの場合 3/3 投稿日:2003/10/30(木) 02:27 ID:???
「えっ、うそでしょ?・・・だって、まだ越してきて1月も経っていないのに」
両親の言葉が信じられなかった。
神様のいたずらにしては、酷過ぎる仕打ちだ。
・・でも、次の言葉に私は息を飲んだ・・
「京都に帰ることになったんだ。よしみも戻りたがっていただろう?」
・・・あのひととの約束を果たすことができる・・・
嬉しかった。いや、嬉しいはずなのに・・涙が出た。
それは嬉しい涙なのか・・・それとも哀しい涙なのか・・・自分でもわからなかった。

「そっかぁ・・帰っちゃうんだ・・さびしくなるね」
彼女は・・・どれみちゃんは、その言葉を・・その辛い言葉を
笑顔で言ってくれた。
「私、どれみちゃんに出逢えてなかったら、今、きっとこんな哀しい気持ちにならなかった。
 でも、良かった。」
「・・なんで?」
少しずつ、お互いを見る瞳が滲んできた。・・まだだめ・・もう少し待って・・・
「こんなに短い間だったけれど、こんなに哀しい思いになれるってことは、それだけ
 どれみちゃん達のことが・・この美空町が私にとって「かけがえのないもの」になっている
 証拠なんだもの。・・だから良かった・・・
 どれみちゃんは私の一生の友達だよっ!」
「違うよ・・もうあたしたち
「「「「「大親友だよ」」」」」
もう・・止まらなかった。
・・・頬を伝う・・温かい想いが・・・

そして、引越しの日
MAHO堂でみんなにお別れを言って
どれみちゃんが、私を見送りについて来てくれた。
あの日・・・はじめてどれみちゃんに出会った場所。ここでお別れしよう。
「どれみちゃん、ここでいいよ。ありがとう。」
どれみちゃんは、昨日とは違う涙はもうない、笑顔の真直ぐな瞳で言った。
「・・さよならは言わないよ。きっと、また会えるもん」
私も、同じだった・・・そう、またいつか・・・同じ時刻を過ごそうね。
「うん・・・じゃ、またね。」
「きっとだよ!約束だからね。」

私は手を振りながら、道の角を曲がった。
そして・・・
「2年ぶりだからなぁ・・・ちゃんと利くかなぁ?」

俯きながらMAHO堂への道を戻るどれみは、ふと気づいた。
・・・これ・・花の匂い・・・
気が付くと彼女の周り一面・・そして、空から花が舞っていた。
「よしみちゃん・・・ずるいよ・・・なんで言ってくれないのさ!!」

・・・ありがとう、どれみちゃん・・・またあおうね・・・

53 名前:12 投稿日:2003/10/30(木) 02:41 ID:???
という訳で「もうひとりの隠れキャラ」編です。
実は魔女見習いだったっていうトンでもないオリ設でしたが、如何なもんでしょ?

>>49 さん
ミテクレテリヒト イター━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!! アリガトウデス。

54 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/10/30(木) 07:16 ID:???
Lゝ゚ヮ゚ノゝ <ショウワ!

55 名前:○ー○゙ 投稿日:2003/10/30(木) 22:58 ID:???
見てますよ、ふふふふふ…
いや、ひとつひとつ完成度が高く、うならされます。

あ、奥山さんのSSを見たときはびっくりしました。
だって次の章の主役は…

56 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/10/31(金) 15:36 ID:???
これは…なんてゆーか イイー◎(*゚∀゚)◎<アヒャ
次もたのしみ!

57 名前:天野こうたの場合 投稿日:2003/10/31(金) 20:31 ID:???
「バトルレンジャー」

物心が付いたときから観ていた。
僕にとっては、もうあたりまえの存在だった。
それが・・・終わってしまう。
そのことに気づいた時、僕はすぐに悲しく、寂しくなれなかった。
・・・ナニモカンガエラレナカッタ・・・
そのときになって、はじめて気づいた。
それが、あまりにも僕にとって「大きすぎていた存在」だったことを・・・

ドッカーン!!
ものすごい爆発音に驚き、目を開けた。
「なんだ、一体何が起こったんだ!!」
・・何か城のような建物の前に、僕は立っていた。
後ろでは、先程の爆煙の中で、何人かの人影が見えた
・・しかし、なにか様子が・・・・戦っている!!
そのとき不意に、後ろから蹴り上げられた。
「・・・痛ってー・・・誰だ!」
と叫んだ瞬間、僕は固まった。その正体に驚き・・・
「チョワルーゥー」
・・こ・・コイツ、ワルワル団の兵士!
そして、その兵士は再び僕に襲い掛かってきた。
「ワルー・・・グハッ・・」
寸でのところで、その攻撃はかわされた。
それは、赤のスーツに身を包んだ・・・バトルレッド!!
「何をボーッとしているんだこうた、行くぞ!」
えっ?・・ってことは僕も??・・・エーッ!!

僕は、レッド、ブルー、グリーンと共に城の中へと入っていった。
城の中も、ワルワル団の兵士達が占拠していた。
僕は無我夢中でたたかった。
そして、囚われの姫が居る部屋の前までやって来た。
しかし、そこには・・・
「待っていたぞ、バトルレンジャー」
首領、ワルワル将軍が待ち構えていた。
「・・姫を・・姫を返してもらおう!!」
「フン、そう易々と渡せるものか!」
そして、激しい戦闘が繰り広げられた。
後からやって来たイエロー、ピンクも参戦して、
しかし、追い詰められた将軍は、姫を盾にし、城の窓から飛び出した。
岬の崖までやって来た所で、
「姫がどうなっても良いのか?」
と言い放ち、姫に短刀を突きつけた。
「ひ、卑怯な・・・」
しかし、僕らは一瞬の隙を突き、将軍に止めを刺そうとした。
でも、事態は意外な展開を迎えた。
「・・・・もう、争いはやめて下さい。私の為に戦わないで下さい・・・お願い」
姫のその言葉に怯んだ隙に将軍は姫に襲い掛かった。
だが、僕らの最後の攻撃に・・・将軍は岬から落ちていった・・・
・・・終わったんだ、僕らの最後の戦いが・・・

そして、姫は僕に近付いてきた。が
・・・姫?・・・ミィ姫じゃ・・ない・・・
赤い長い髪を靡かせて・・・
「ありがとう、こうたくん。カッコ良かったよ!」
えっ?何で僕の名を?・・今僕は、バトルレッドのはずじゃあ・・・
「あたしもさ、バトレンジャーが終わっちゃうこと、凄くツライんだ・・
 でも、小さい頃から好きだったこうたくんは・・もっと寂しいよね。」
「・・・・うん」
「物語にはさ、2つの「終わり」があるって知ってる?
 1つめは、「それ」そのものが終わったとき・・
 2つめは・・・自分がその物語のことを忘れてしまうこと・・・
 だからさ・・TVのバトルレンジャーが終わっても、まわりの人たちがみんな
 バトルレンジャーのことを忘れていってしまっても・・
 こうたくんが、「好き」って気持ちを持ち続ける限り、
 ココロの中のバトルレンジャーは・・・
 活躍の物語はいつまでも、いつまでも続いていくと思うんだ。」
「そうだぞ、こうた!僕らは君の中で、いつまでも走り続ける。
 だから、忘れないでほしい・・・
 今日ここで、僕らと共に戦った事を・・共に勝利したことを・・・」

終わってしまうという衝撃で忘れていたこと・・
そうなんだよな、僕が好きなら・・・
・・大好きなバトルレンジャーのことをいつまでも忘れなければ・・
・・・僕のヒーロー達の活躍は・・・いつまでも終わらないんだ!!
「忘れない・・・絶対、忘れるもんか!!」
・・・ありがとう・・姫・・・ありがとう・・僕のバトルレンジャー・・・

翌日、僕はふっきれた。
勿論、番組が終わることに対しては、だけどね。
「おーい、こうたくーん」
お団子頭を振りながら、走ってくる少女。
その姿が一瞬、昨晩のあの姫と重なって見えた。
・・・あれって・・まさかね・・・
「大ニュース、大ニュース。あのさ、おんぷちゃんから聞いたんだけど
 バトルレンジャーが終わった後にさ・・・」

・・・ほら、ここを見ている貴方のココロにもきっとまだあるはずだよ。
今もなお、走り続けている「あのコ達」の物語が・・・

58 名前:12 投稿日:2003/10/31(金) 21:00 ID:???
嗚呼、禿げしく「りょうた編」と被ってる。
でも、なんか土管の「マジョレンジャー」の話観てた時、
どうしても「バトレン」と「どれみ」を被せて見てしまったのですよ。私。
結果、この「こうた編」になりますた。

うわー、今回は3人も反応して下さった・゚・(ノД`)・゚・ウレシイッス

>>54 さん
ハンノウダイ2ダンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!アリガトウデス!!

>>55 ○ー○゙ さん
うぁ、コテハンさんカキコキター
見ててくれてどうもです。ガンバリマス。
(実は私、メリ○ルァス○ーキさん話、期待してる者だったりします。テヘ)

>>56 さん
ありがとうです!
拙い文章ですが、期待して下さる方が居られる限り続けたいと思ってます。

59 名前:妹尾みずこの場合 1/2 投稿日:2003/11/01(土) 00:35 ID:???
それは、雪の降る夜のMAHO堂で起こった・・・不思議な出来事。

「あーん、もう、どうしてあたしだけこうなっちゃうかなぁ、いつもいつも・・」
小学校最後の「卒業パーティー」。
あたしの提案で、その時にみんなで手作りのプレゼントを交換しよう。
という事が決まった。
で、あたしが作り始めたのはマフラー。
季節はもうじき春だというのに・・・
「どれみちゃんらしいわ、アハハハ」
と、みんな笑っていた・・・
でも、みんな完成してゆく中、あたしだけ上手くいかず・・・
前日の夜になってもまだ出来上がらなかった。

「家に帰って、すればいいのに・・」
午後9時を回って、既に寝巻き姿のハナがどれみに言った。
「ううん、家に帰ってするとさ・・なんか誘惑に負けちゃうんだよネ。
 テレビみちゃったり、ついついベッドに横になっちゃったりしてさ・・
 だから、ここでするって決めたの。」
「「決めたの」じゃないわい!このバカモンがぁー・・わしゃもう寝るぞ。」
と言い残し、大欠伸をしながらララと共に寝室へ向かうマジョリカ。
「どれみぃ〜・・ハナちゃんも、もう寝るよ」
「・・・うん・・・おやすみ。」

それから、どれくらい経っただろうか?
つい夢中になって作業をしていた為、わからなかった。
「よっしゃ、カンセイだぁ!あたしもやればできるじゃん!!」
少々歪な所もあるものの、立派なマフラーが出来上がった。
その時、静けさの中から、ふと笑い声のような・・かすかな声が聞こえた気がした。
「・・・誰?・・ハナちゃん?・・マジョリカ?・・・」
でも、返事は返ってこなかった。
「気のせい・・かな?」
静まり返ったMAHO堂のフロア・・・
「・・・なんか、誰もいないMAHO堂って・・・寂しいな・・」
・・コンコン
入り口ドアを叩く音。今度は、確かな音だった。
「誰だろ?・・はづきちゃん達かな?」
ガチャ、ドアを開けた・・が・・・
「・・・誰も・・いない・・・」
・・・怖くなった。
「ア、アハ・・もう、あたしを怖がらせようと思って・・・誰な・・
と怖さを誤魔化そうと大声を張り上げながら振り返る・・言葉が止まった。
「こんばんわ。」

60 名前:妹尾みずこの場合 2/2 投稿日:2003/11/01(土) 00:40 ID:???
女の子が立っていた。
誰だろう?
小学校4年生位だろうか?・・おとなしそうな子・・
「こんばんわ。どうしたの?こんなに夜遅くに」
「あの・・おねえちゃんに・・プレゼントを・・あげたくて・・」
女の子は俯き加減に訪ねた。
「そうなんだ・・でも、おとうさん、おかあさんが心配するから明日もう1度来て・・
「ダメなの明日じゃ・・今夜じゃないと・・・
 ・・・明日、おねえちゃんのお願いが叶うの。
 ずっと、ずっと何年もかかってお願いしてた事が叶うの。
 だから・・・わたし、おねえちゃんをお祝いしたいの。
 わたし、今まで一度もおねえちゃんにプレゼントをあげたことなかったから・・だから」
「・・・そっか、わかった。
 じゃあ、おねえちゃんにとびっきりのプレゼントをして驚かせちゃおう!」
「ウン」

その女の子はビーズのブレスレットを拵えた。
あたしに似て、ちょっと不器用さんだけど、とっても一生懸命に・・
・・・この子、お姉さんの事・・・とても大事に想っているんだなぁ・・・

「できたー」
「うん、上出来上出来!・・やったね!」
二人して喜びあった。
「おねえちゃん・・喜んでくれるかなぁ・・」
「喜ぶよ、きっと・・・真心はきっと届くよ・・・お姉さんが保障する!」
ドンと胸を叩いたあたしに、
「ウン、ありがとう。」
女の子は満面の笑みで答えた。

そして、夜も白々と明けてくる頃、
「ほんとに家まで送って行かなくても大丈夫なの?雪積もってて危ないよ」
「うん・・・ほんとに大丈夫だから」
「・・じゃあ、気をつけて帰んなよ」
「ありがとう・・どれみお姉ちゃん。
 おねえちゃんが救われたのは・・この4年間頑張って来れたのは・・
 どれみお姉ちゃんのおかげなんだよ?
 ほんとに、ほんとにありがとう・・・」
「・・・えっ?」
と、問いかけた時には・・・既にその子の姿はなかった・・・
「・・・ほんと、ふしぎな子だったな・・・」

翌日、あいこは祖父と和解し、両親と共に大阪へ戻る決心をした。
その腕には、あの子の拵えたブレスレットが光っていた・・・

・・・おめでとう・・・わたしのおねえちゃん・・・

61 名前:12 投稿日:2003/11/01(土) 00:53 ID:???
この子は、ネタでしか挙がってないので解からない方もおられるかも・・・
「あつこさんが流産してしまった赤ちゃんが、おねえさんのあいちゃんに
プレゼントをあげにくる。」って設定です。
・・・でも「みずこ」って名前は、やっぱ「水子地蔵」から取ってるのかなぁ
とか思うと、ちょっとかわいそうかも。・・・

62 名前:菊池はじめの場合 1/2 投稿日:2003/11/05(水) 02:08 ID:???
「君の夢って、何だったの?」

高校生になって、アルバイトを始めた。
憧れだった・・夢に少しでも近づきたい・・
僕は太陽電鉄・美空駅で駅係員の仕事をすることになった。

駅員の仕事といえば、列車の出発確認、案内放送、切符切りや販売・・
ということが連想される・・
でも、今はその全てが人的作業ではなくなり、
コンピューター制御等により自動的に行われている。
残された仕事は、その管理や一部の手作業のみ・・
着実に、人のする仕事が少なくなってきている。
鉄道だけではない・・航空関係だって同じことだ。
・・・僕は将来、この仕事に就くことが出来るのだろうか?・・・

そんなある日のこと。
「・・・もう、ヤメテよー」
「いいじゃんかよぉ、おネエちゃんヨォー」
下り線のホームで、お客さんが絡まれていた。相手は・・なんか見覚えある髪型・・
「・・あっ、菊池君でしょ?・・久しぶりー」
絡む相手も気にせず、彼女は僕に手を振ってきた。
「・・・なんだこのアマ、なめてんのかよ、オイ!」
さらに彼女に食って掛かろうとした男を僕は手で制し、
「お客さん?困ります。他のお客様の迷惑になりますので」
「うっせえ、兄ちゃんはだまってな。オレはこの・・
「これ以上されるのでしたら、仕方ありません。鉄道警察を呼ぶことになりますよ。」
その言葉を聞き、男はブツブツ言いながら、そそくさと改札口の方へ行ってしまった。
・・・正直、ホッとした。・・・

バイトが終わった僕は、
まださっきの男がいるかもしれないので、彼女を家の近くまで送る事にした。
その帰り道。
「いやぁ、助かったヨー、菊池君が駅員さんで・・」
「僕はアルバイトだよ。だってまだ高校生だし・・」
「あっ、そっかぁ・・・・そうだったよね・・アハハ」
・・どうやら彼女は本気で、僕が駅員になったと思っていたらしい・・・
・・そういえば・・・そういう娘だったっけ・・・
「・・何がおかしいの?」
「・・エッ・・いや、ちょっと昔のこと思い出しちゃってさ」
「あーーーっ、あたしがドジだったっての思い出して笑ったんでしょお?」
一瞬、お互いが顔を見合わせ・・そして僕は吹き出した。
彼女もプーッと頬を膨らませながらも・・笑っていた。

63 名前:菊池はじめの場合 2/2 投稿日:2003/11/05(水) 02:09 ID:???
「いいなぁ、菊池君は・・夢に着実に近付いているんだもん」
「・・・そんなこと・・ないよ。・・やっぱり現実は厳しい。
 今ある仕事だって、いずれは自動化されて、人手は要らなくなってくる・・
 もし、夢を実現出来たとしても・・将来どうなるか解からない・・・
 でも、そんなものなんだよね、実際は・・・」
彼女は僕の話をじっと聞き、そして語り始めた・・
「あたしもね、夢があったんだ。
 小さい頃から・・ホントに憧れていた・・
 小学校のとき、その夢を叶えられるチャンスが出来てさ、
 あたし頑張ったんだ。辛いことも、楽しいことも親友達と分け合いながら・・
 それで・・・遂にその夢が叶えられる時が来たんだ・・・でも・・・・」
次の言葉が出てこない・・・彼女の目には涙がたまってた・・
「・・叶えられなかった・・の?」
「・・・うん・・・
 でも、その夢より・・・もっと大切なものの為に・・・
 あたし自身のために・・・諦めたの・・だから・・後悔は・・してない。」
彼女は涙を拭いて、闇夜にぽっかり浮かぶ月を見つめながら続けた。
「・・そのかわりにさ、あたし、大切な人と約束したんだ。
 あの時に起こった素敵な・・かけがいのない出来事を語り継いでゆく事を・・
 そうすれば・・・きっと、いつか・・
 あたしの夢が現実になるような・・・そんな時がきっと来るって信じてるんだ。」
彼女は月を・・いや違う、もっと遠くの・・目に見えないような何かを見ていた。
なんだろう・・・彼女が・・何故か異世界の人のような・・そんな気がしてきた。
「・・だからさ、応援したいんだ!
 夢に近づけて・・そして夢を叶えられることが出来るんだもん。
 うん・・きっと、叶えられる。」
僕は照れくさくなって頭をかいた・・・そして彼女に言った。
「・・うん、とりあえず頑張ってみる。
 その先がどうなるか心配しながらいたら、何も出来ないままだもの。
 ありがとう・・春風さん。」
彼女はニッコリ微笑んだ・・・そして僕は・・また頭をかいていた・・・
「あ、家もうすぐそこだから・・ありがとう。
 きっとなれるよ・・・だって、さっきカッコ良かったもん!駅員さんの菊池君。」
そう言って、彼女は走って行った。

僕は、最後に聞こうと思っていた事を言葉にしようとして・・・やめた。
・・・そういえば・・・そんな、不思議な娘だったっけ・・・

64 名前:12 投稿日:2003/11/05(水) 02:34 ID:???
この3日間「読み専」だったので、遅れてしまいましたが
とりあえず更新です。
実際、私も一時期、鉄道業界に憧れたこともあったので、ちとリアルぽいです。自分に。

1頁で最初のはづき話が見えなくなったところで、今後の予定なんかを・・・
とりあえず年内には終わらせる予定です。が・・・
正直、ネタ切れっぽいです。
なので、設定とかキャラとか、リクなんかあったら言ってください。
(但し、メインキャラは最後に取って置きたいので・・・ゴメンナサイ)
その他、感想、反応何でも大歓迎です。よろしこー

65 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/11/05(水) 22:15 ID:???
菊池君、縁の下の力持ちの子ですね。彼はいい味だしてますね。
どれみさんとっていう組み合わせは、本編ではなかったと思いますが、とても自然な感じでよかったです。

ここ、某料理屋で晒されてましたね

66 名前:妖精ララの場合 投稿日:2003/11/06(木) 01:16 ID:???
人間界には、こんな不思議な・・哀しいお話がある。

或る日、浜辺で子供たちに苛められている亀を助け、
そして、その助けた亀に連れられて、竜宮城に来た彼は、
そこで夢のような時を過ごす。
やがて彼は、元の浜辺へ帰って来た。
しかし、そこには自分の家も、知人も、そして家族も・・居なくなっていた。

・・もう・・・あれからどれくらい経ってしまったのだろう?・・・
ハナちゃんの後見人であるマジョリカの代わりに、わたしは人間界へ遣いにやって来た。
「MAHO堂の様子を見てこい」
とだけ彼女は言っていたが・・・おそらくそれは口実であることに間違いはなかった。

久しぶりのMAHO堂。
その古びた建物はあの時と変わらず、
今はただ、長い時の流れに身を任せ・・主の帰りを待ち続けているようだった。
あの時、彼女たちと過ごした4年間が
まるで昨日の事のように思い出される・・
「あのコ達・・どうしているのかしら?」
・・ふと、人の気配を感じ、わたしは猫に姿を変えた。
「・・・ララ・・でしょ?・・・」
その彼女は呟くように・・わたしに語りかけた。

店の中は、きれいに掃除されていた。
そして、店の前の花壇には綺麗な花が咲き揃っていた・・・
「あたしたちも・・時々、こうやって見に来ているのよ。
 ここはあたしたちの・・たからものだから・・・」
あの時と、その姿や表情は変わってしまっていたが、
でも・・・瞳の輝きは・・あの時の彼女のままだった。

彼女と私は語り続けた。
今までのことを・・・
魔女界のこと・・人間界でのこと・・
ハナちゃんやマジョリカ、妖精たちのこと・・
彼女たちのこと・・・を・・・

「でも、ちょっと最近辛くなってきてね。
 ・・マジョリカ達が帰って来るまでは・・って思っていたんだけれど・・
 ・・・ゴメンね・・ララ」
あの日あの時、あんなにはしゃいでいた女の子が・・
どんな事にもめげず、弱音なんか吐かなかったのに・・・
そう語る彼女を見て・・やるせなくなった・・・

日は西に傾き、店の中をオレンジの黄昏が照らし出した。
「そろそろ戻らないと・・・」
「そっか・・・でも忘れないで。
 あたしがこんな歳になっても・・いつまでも・・
 あなたはあたしのお姉さん・・なんだからね。・・ありがとう・・ララ」
弱々しい手を差し伸べながら・・彼女は優しく微笑んだ。
「今度はマジョリカもハナちゃんも・・きっと連れて来るから
 それまで・・絶対、元気でいるのよ?どれみ!
 わたしやマジョリカ・・・それにハナちゃんを・・・
 あなたの娘を・・浦島太郎にさせないで・・・お願い」
わたしは彼女の手の中で・・・暖かい温もりに抱かれて泣いた。
「・・ウン・・解かったよ・・・だから泣かないで・・・
 ・・・あたし・・あたし達、またここで・・きっと待っているから。」
・・・永遠の約束・・でも・・いずれ叶うことの出来なくなる・・哀しい約束・・・

・・・今はもう・・・マジョリカよりも遥か年上に見える彼女は・・・
そう言ってわたしを見送った。
いつまでも・・いつまでも・・手を振って・・・

それは・・・あの日から・・もう80年も経とうとする、或る秋の日の出来事・・・

67 名前:12 投稿日:2003/11/06(木) 01:44 ID:???
かなり鬱っぽい展開になってしまった・・・苦手な方、ゴメンナサイ。

>>65 さん
感想どうもです。
菊池君はももちゃん繋がりなので、彼女の話題も出そうかなー
とも思ったんですが、広がりすぎちゃうので諦めました。

>> 某和食料理店店長さん
いやぁー、恥ずかしいやら嬉しいやら・・
早速、菓子折り持って御礼に伺ったんですが、かえでさんに追い返されました。w
また暇が御座いましたら、覗いてやって下さい。
私も「おジャ魔女5年目」のつもりで拝読させて頂いておりますので・・・テヘ

68 名前:伊藤こうじの場合 1/2 投稿日:2003/11/07(金) 01:35 ID:???
「好きこそ物の上手なれ」

中学になって、当然のようにサッカー部へ入った。
好きだけど、実力が伴わないのは相変わらずだけど・・・
でも、オレはそれでも良かった。
大好きなサッカーを、毎日楽しく出来れば良い。それだけだった。

ある日のこと、
練習が終わって、部室に戻り・・ふと屑篭の中に
無造作に捨てられている「ある物」に目が止まった。
「・・これって、ラブレターじゃぁ・・」
それを拾い上げ、宛名を確かめる。
・・2年の先輩宛のものだ。
彼のプレーは3年生にも引けを取らない、素晴らしいものだった。
その為、次期キャプテン候補でもある。でも・・・
「先輩がこんなことするなんて」
オレは先輩に抗議した、こんな酷いことするなんて許せなかった。でも・・
「受け取る気は無かったんだけど、その子、それ渡してすぐ、
 逃げるように走ってっちゃってさ・・・それに・・オレ、彼女いるし。」
・・文面を見ても、相手がどのクラスの誰だかも判らないそうだ。
・・・それ以上、オレは何も言えなかった。

オレはその手紙を・・いけないと思いつつも・・ついついそれを見てしまった。
「こんな手紙、突然ごめんなさい。
 でも、私の気持ちを、どうしても伝えたくて
 ・・先輩のことを想うと、胸が熱くなり、とても苦しくなります・・
 もし良かったら、私とお付き合いして下さい。
 ・・今度の日曜日、朝10時に美空駅で待っています。」
・・・確かに、名前も学年も書いてない・・
よっぽどの慌てんぼうなんだろう。
「・・今度の・・日曜・・・かぁ・・・」

「何やってんだろ、オレ・・・」
日曜日、オレは美空駅に来ていた。
しかし、10時になっても「手紙のコ」らしき人物は現れなかった。
「・・・フラれてしまった事に気が付いて、来なかったのかな?」
と思い、帰ろうとしたその時
・・ドカッ
「アイタタァ・・・ご、ごめんなさい・・・あれ?伊藤くん」
「ッテー・・って・・・え・・」
それは小学校時代からの、オレの良く知るコだった。

「・・・・・そっか・・・そうだったんだ・・・」
一部始終を話したオレに、彼女はそう一言つぶやいた。
「・・あの、ゴメン。手紙勝手に読んじゃって・・・」
彼女はブンブン手を振って、そして笑いながら
「いいっていいって、気にしてないから・・・
 あーあ、またフラれちゃったなぁ・・・あたしって、やっぱ世界一不幸な美少女だぁ〜」
とおどけて見せた・・・が、その瞳は潤んでいた・・・
オレは・・・どうしたら・・・
「・・あのさ、良かったら、これから遊びに行かないか?お詫びにオレ奢るからさ」
彼女のことを放っておけなくって・・・つい思いつきで言ってしまった。
・・でも、彼女はパァッと笑顔になって
「やったあ!行く行く、奢って奢ってぇー」
とはしゃいだ。
良かった、元気になってくれて・・・・って、オイ・・これって・・もしかして・・
・・・オレの初デートなのかぁ???

69 名前:伊藤こうじの場合 2/2 投稿日:2003/11/07(金) 01:37 ID:???
美空遊園地
ジェットコースターにお化け屋敷
メリーゴーランドにバトルレンジャーのキャラクターショー・・と
彼女はクルクル表情を変えて・・見ていて飽きなかった。
楽しかった。
何故だか・・こう・・心が温かくなるよな・・そんな不思議な気持ちになった・・
・・・オレ、どうしちゃったんだろう?・・・
このコは・・・彼女は・・・オレの彼女じゃないのに・・・
「・・・くん?・・ねぇ伊藤くんってばぁ!」
気が付くと、彼女はオレの目の前で、頬を膨らませていた。
「・・え、あ・・ゴメン、何?」
「最後にさ、あの観覧車に乗りたいな」

2人っきりの密室
・・何故かオレは・・ドキドキしていた・・・
でも彼女は・・さっきまでとは違い、無言になってしまった。
・・何か言わなくちゃ・・でも、先に沈黙を破ったのは
「伊藤くん、今日はありがとね。
 あたしさ、とっても嬉しかったよ。」
そう言って彼女は微笑んだ・・オレは!・・・オレは!!・・
・・・せつない胸が張り裂けそうだった・・・
「・・あ、あのさ、もし良かったら・・その・・オレと
「あたし、この勇気を出すのに、4年間頑張ってきたんだぁ」
と、遮るように彼女は語りだした。
「好きな人に告白する勇気が欲しい・・ってね。
 中学生になって、やっとそれが実現できて、うれしかった。
 フラれてばっかりだけどさ・・・エヘヘ・・
 でも、これからも頑張りたいんだ、この想いが・・いつか誰かに届くまで。」

・・・そうか、そうなんだよな・・・
彼女の「告白」は、オレがサッカーを好きな「想い」と同じなんだ。

観覧車は、丁度てっぺんの辺りまでやって来ていた。
眼下には美空の町並み、そして遠くには海が見えた。
「・・・きっと想いは伝わるよ。」
それしか言えなかった。
・・オレの・・思いつきの気持ちなんかじゃ、彼女に失礼だ・・・
「ありがとう。」
そう一言って、彼女は・・・今度は心から微笑んだ。

翌日放課後、サッカー部、部室
おぼつかない表情で小竹が話し掛けてきた。
「お、おい、あのよぉ・・こうじさ、昨日・・その・・どじみと・・」
「・・ああ、デートしたよ。」
「えっ・・・・・・」
彼の顔色が、赤から青に変わっていく・・・
「ハハハ・・ウソウソ、たまたま付き合っただけだって・・・
 でも、うかうかしてると彼女、他の誰かに取られちゃうぞ!小竹!!」
「お、オレはどじみなんか・・・って、余計なお世話だ!」
彼の顔色が、また青から赤に変わっていく・・・

・・・ホントに・・・オレが春風さん取っちゃうぞ、小竹・・・

70 名前:12 投稿日:2003/11/07(金) 01:52 ID:???
という訳で、ついこの間某スレで「巨編」が完結したこうじ君編でした。
「不器用」とか「人の良さ」など、なんとなくどれみさんと共通点の多い彼。
もし付き合ったら、上手くいきそうな気もするような・・・

71 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/11/07(金) 06:56 ID:???
(・∀・)イイヨーイイヨー
どんどん書いてー

72 名前:佐藤なつみの場合 1/2 投稿日:2003/11/08(土) 02:26 ID:???
ありがとう・・わたしの最初の友達・・・

小さいときから、人の「旅立ち」を見続けてきた。
ある人は、志半ばにしての旅立ち・・・
またある人は、人生を全うして、穏やかな顔で旅立ってゆく人・・・
・・・最後の気持ちを、誰かに伝えたい・・・
旅立つ人のそんな気持ちを感じ取るようになったのは、いつ頃から・・だったろうか?・・・
そう・・そうだ、彼女に出会ってから・・・

お母さんの大事な洋服を汚してしまった時・・
いたずらをして、先生に怒られた時・・
わたしが困っていると、彼女は現れ、話を聞いてくれた。
そして、いつもわたしを励ましてくれた。
不思議だった・・・彼女は・・もうこの世の人ではない筈なのに、
会うたびに、わたしと同い年位に成長していた。

・・・でも、小学校に上がる頃・・彼女はいなくなってしまった。
ずっと待っていても、決して現れることはなかった。
でも私は・・彼女のことを忘れなかった。
きっと彼女は、いまでもわたしのことを見守ってくれている・・そう信じている。

きっかけは些細なことだった。
幼馴染の信秋君とケンカをしてしまった。
最初のうちは、少し経てば、また元のように仲良くなれるって思っていた・・
でも・・彼は一週間経った今でも、一言も口を利いてくれない・・・
それに・・私を見ると、逃げてしまう・・・
・・・わたし・・・嫌われちゃったのかな?・・・
・・いま、彼女に会えたら・・・なんて言ってくれるだろう?

「・・ねぇ、なつみちゃん?どうかしたの?」
!・・・
一瞬、彼女か・・と思ったが、違った・・・
学校、休み時間中のクラス。
それは、わたしのクラスメートの姿だった。
「・・悩み事なら、相談にのるよ?」
おそらく、わたしはいまにも泣きそうな顔をしていたのだろう
ちょっとお節介焼きのそのコは、心配そうな顔で私を覗き込んだ。
「う、ううん・・なんでもないの・・・ちょっと考え事してただけだから」
「・・そっか・・そんなら良いんだけど・・・
 でも・・ホントに悩みがあったら、エンリョなく言って。ね!」
そう、あのコは言って、自分の席へと戻っていった。
・・無理しないで、相談すればよかったな・・・
わたしは、フッ とため息をつき、窓の外を見た・・・
・・・彼女に・・・また会いたいな・・・

学校の裏庭
5人の少女達・・・魔法の呪文が唱えられ、光の輪が広がった。
そして・・・1人の少女が・・・いなくなった。

夕方、自分の家の礼拝堂になつみは居た。
「・・いつもここに来ると・・彼女が居たっけ・・・」
そう呟き、母屋へ戻ろうとした。
が、足が止まった。

「・・・ひさしぶりだね・・・なつみちゃん・・・」

73 名前:佐藤なつみの場合 2/2 投稿日:2003/11/08(土) 02:28 ID:???
6年近い歳月で、彼女の髪は腰の辺りまで伸びていた。
彼女の顔が、涙に歪んでいた。
「・・どう・・して・いなく・・なっちゃ・・たの?
 ずっと・・ず・と・・待ってたのに・・待ってたのにぃー」
そして・・彼女の胸で・・私は泣いた・・・
「・・・ごめんね・・・ごめんね・・・」
そう言いながら、優しくわたし頭を撫でてくれる彼女。
嬉しくて、懐かしくて・・・温かい・・・涙が止まらなかった。

「ワタシがね・・・なつみちゃんに見えなくなってしまったのは
 ・・・もう、ワタシの代わりが・・・
 なつみちゃんには出来たから・・・だから・・・なの・・・」
少し寂しげに、彼女は言った。
そして、笑みを浮かべ・・続けた。
「・・でもね、ワタシうれしかった。
 だって、なつみちゃんに「素敵なお友達」が出来たんだもの・・
 それだけで、充分だった。
 ・・ワタシは笑っているなつみちゃんを見ているだけで幸せだから・・」
・・・そうだったんだ・・彼女が見えなくなっていたのはわたしの方なんだ。
「ごめんなさい・・・わたし・・・」
「ううん、いいの。ホントに
 でも・・・なつみちゃんにはもう解かっている筈だよ?
 人の気持ちを大切に想う心が・・・
 なつみちゃんがワタシのことを想ってくれていたように・・・
 ・・お友達のことを想っていたように・・・
 わたしも・・きっとお友達も・・あなたのことを想っている。
 ・・だから信じて。きっと仲直りできるわ。」
「・・・うん」
頷いて、わたしも彼女に微笑んだ。

「・・もう会えないの?」
「・・ホントはね、もうなつみちゃんには会えなかったんだけど、
 ・・でも「お節介魔女さん」のお陰で・・会えたんだ。
 だから・・今度は・・ホントに・・さよなら・・だよ。
 でも、忘れないで・・・
 ワタシはいつでもあなたの傍にいる事を・・・
 あなたの幸せを願っていることを・・・」
彼女は頷き、そして笑みを浮かべながら・・静かに消えた・・・
「わたし、わすれないよ!いつまでもわすれないから!!」

『・・・ありがとう、あなたの体、使わせてもらっちゃって・・・』
『・・ううん、いいの。最初はビックリしちゃったけど・・
 これで信秋君とも仲直りできそうだし・・それに・・・
 なつみちゃんとあなたがもう一度会うことが出来たから・・・』
『うふふ・・あなたって本当に「お人好しのお節介焼きさん」なのね・・
 あなたに会えて、嬉しかったわ。
 ありがとう、ちいさな魔女さん・・・』
そう言い残して、彼女はあたしの中から去っていった・・・
「・・あのォ〜、あたしまだ魔女見習いなんスけど・・・」

夜、
朝まで待つことが出来ず、わたしは信秋君の家を訪ねた。
「・・・・・!」
わたしの顔を見て、逃げ出そうとする。
「まって!信秋君・・・ごめんなさい。」
彼は立ち止まり、振り返った。
「・・僕・・なつみちゃんに・・嫌われてしまったのかと・・思っていたのです。
 僕のほうこそ、申し訳ありませんでした。」
彼は・・信秋君は泣いていた。
・・・わたしと・・同じこと・・想っていたんだね・・・

・・・あなたのおかげだよ・・・ありがとう・・・

74 名前:12 投稿日:2003/11/08(土) 02:41 ID:???
なんか どれみさん×ユウレイさん話 みたいにあやふやになってしまった・・・
最初は「よしみの場合」の時みたく、他のおジャ魔女メンバーにも台詞があったんですが、
べらぼうに長くなってしまったので・・・こんなんなりますた。

>>71 さん
どんどん書くよー アリガトです!

75 名前:71 投稿日:2003/11/08(土) 16:44 ID:???
魔法で解決してしまった様で、なんか寂しい感じです…

76 名前:12 投稿日:2003/11/09(日) 00:30 ID:???
本編まだ上がってませんが、ひとこと・・・
>>71 さん
貴重なご意見ありがとうござます。
そうですねぇ・・・
やはりユウレイさんをなつみちゃんの目に見えるようにさせるにはこれかな?
と思い、今回初の魔法シーンを登場させてみた訳なのですが・・・
どれみさんもユウレイさんの存在を初めから知っていれば、魔法でなくても協力したろうし、
やはりユウレイさん自身も、どれみさんのそんな心の優しさみたいなものを感じ取って、
導かれたから宿ったのだろうし、なつみちゃん自身もユウレイさんが今でも見ているような
気を感じ取っていたから、彼女の存在を気にして、待っていたのだろうし・・・
「魔法で解決」って訳ではなく、「魔法をきっかけにして解決」する。
って意味で読んで頂けたら嬉しいのですが・・・ヘタな言い訳ですね。精進します。

77 名前:迷犬パルの場合 1/2 投稿日:2003/11/09(日) 04:42 ID:???
「今日もさぁ、どじみのヤツがよぉ・・・」

ボクのご主人様、てつや君は
サッカーが大好きで、いつも遊んでばかり・・
そのせいで勉強はカラッキシ・・・いつもお母さんに怒られてばかりだ。
でも、学校から帰ってくると、いつも真っ先にボクのところへ来てくれる。
散歩でもいつもボクと一緒に走ってくれる。
ボール遊びで、ボクがボールを拾ってくると、ボクをとても褒めてくれる。
気丈に振舞っているけど・・ホントはとってもココロの優しい・・
ボクの自慢のご主人様だ。

夏休みのある朝のこと、
「パルー、行ってくるよー」
そう言って、てつや君はいつものように家を出て行った。
でも・・・夕方になっても、夜になってもボクのところへ来てくれなかった。
・・その日、てつや君は、とうとう家に帰って来なかった・・・
そして、次の日も、またその次の日も・・・

もしかしたら、事故に遭っているんじゃないだろうか?
病気になってしまったんじゃないだろうか?
ボクは心配でしょうがなかった。

そして、一週間経ったある日のこと。
「パルー、元気だったか?」
てつや君が帰ってきた。
嬉しかった・・・はずなのに・・・
「パル?どうした?・・待ってろ、いま散歩に・・って、イテッ!」
ボクはてつや君の手に噛み付いていた。
つかまえようとしたその手を振り払い、家を飛び出した。

どれくらい走っただろう?
・・ここは、どこ?・・
見たこともない建物、町並み・・景色、そしてボクのニオイが全くない道。
気が付くと、ボクの知らない場所まで走ってきてしまっていた。
・・・どうしよう・・・
道で危うく車に撥ねられそうになったり、知らない犬に吠え付かれたり・・・
その度に逃げ回って、ドンドン遠くに来ているみたいだった。

・・・おなか・・すいたな・・・
疲れてトボトボ歩いていると、フイに目の前が暗くなった。
「ねぇ、キミ?・・飼い主さんは何処?」
女の子が回りをキョロキョロ見ながら、ボクに話しかけた。
「どうしたの?」
そして、もう一人の女の子が近付いてきた。
「なんだか迷子クンみたい・・・」
でも・・ボクは、そのコの手に持っているものに釘付けになってしまった。
「・・ん?コレほしいのかな?」
「ダメだよ、それ女将さんに頼まれたお饅頭でしょ?」
「いいじゃん、いいじゃん、一個ぐらい」
「お腹すいてそうだし・・・まあいっか」
そう言って、二人の女の子はボクにお饅頭をくれた。
「・・・これ食べたらさ、一緒に飼い主さん探してあげるからね。」
そ、それは困る・・・
「・・あっ、まってキミ!」
ボクは食べかけのお饅頭を一気に飲み込み、走り出した。
・・・ありがとう、でも・・ごめんなさい・・・
「あっはっはっはー、フラれちゃったなぁー、はるな」
「そういうかえでちゃんもね。」

78 名前:迷犬パルの場合 2/2 投稿日:2003/11/09(日) 04:44 ID:???
ボクはまた走った。
走って、走って・・・そして河原へ着いた。

川を眺めながら・・ふと、てつや君の顔を思い浮かべた・・
・・・ボクは、どうしてこんなことをしちゃったんだろう?・・・
心配だった。でも、元気で戻ってきてくれた。
いつものように、またボクのことを構ってくれようとしていたのに・・・

・・探したよ?パル・・
誰?だろう・・・みたこともない犬・・それに・・なんだか変だ・・犬のニオイが全然しない・・・
「・・ウゥーッ・・」
・・まって、あたし、ホントは人間なの・・
・・・えっ?・・・
その犬は「ボワン」と煙を吐いて、人間の女の子の姿になった。
「ちょっとキミのニオイを探し当てる為に変身してたの。
 小竹がさ、探してたよ?君の事。」
・・・・・・・・・
「「パルの事怒らせちゃった」って、泣きそうな顔しながら探してた・・
 サッカーの合宿があって、1週間留守にしちゃって・・でも、その事ちゃんとパルに言わなかったから
 心配させて、怒らせちゃった・・って言ってた。」
・・・てつや君・・・
「でも、キミ、もう怒ってなんかいないよね?そうでしょ?」
・・・?・・・
「・・だって、そうじゃなきゃ、そんな顔・・・そんな寂しそうな顔しないもん。
 ・・仲直りしたいんでしょ?小竹と」
・・・うん・・・
不思議だった。
ボクの声は、きっと彼女には聞こえていないはずなのに・・・
まるで・・・ココロで話しているような・・・そんな気持ちになった。
「・・キミがさ、5年前に廃工場に捨てられていたときにね、小竹必死になってお父さんとお母さんに
 お願いしたんだよ・・キミの事、家で飼えるように・・
 その時、あたしさ・・小竹のこと・・正直、見直した。
 いつも意地悪ばっかりして、イヤなヤツだと思ってたのに・・
 こんなにも、優しい気持ちを持っていたんだ・・って
 ・・・きっと、キミにも解かっているはずだよ・・・小竹のそんな気持ちが・・・」
解かってる・・・解かっていた・・てつや君のやさしい気持ち・・・
・・・でも、ボク・・寂しかった・・心配でしょうがなかったんだ・・
もしかしたら・・ボクの事を・・忘れちゃったんじゃないか・・って・・
「パル!!」
!!・・・・・
「・・小竹」

そこには、息せき切った、てつや君が立っていた。
「ごめん・・ごめんな・・・オレ・・おまえの気持ちに気づいてやれなくて・・
 おまえはオレの・・1番の友達なのに・・・ホントにごめんよ」
てつや君はそう何度も何度も謝って、ボクを優しく抱いてくれた・・・
・・・ありがとう・・ごめんね、てつや君・・・
彼の頬を伝う涙を、ボクはそっと舐めた・・・

少し離れた所で、そっと微笑んでいる女の子。
ふと、てつや君の口癖が、思い浮かんだ・・・

・・・ああ・・このコなんだね・・・キミの彼女。

79 名前:12 投稿日:2003/11/09(日) 04:54 ID:???
という訳で、小竹君の飼い犬「パル君」編でした。
さすがにこのコを主役に据えたのは、私が初めてではないかと・・・

あと、某料理店のキャラさんを勝手に使わせて貰っちゃいました。スンマセン。

80 名前:71 投稿日:2003/11/09(日) 11:14 ID:???
パル君(・∀・)イイヨー。やはりどれみさんの事は「どじみ」として
記憶してしまうのでしょうか。
「なつみの場合」について色々と書きたいけど、
気まずくなりそうなので…止めときます◎(´・ω・)◎ノ。

81 名前:☆彡名無しっち♪ 投稿日:2003/11/09(日) 20:22 ID:???
まったくパル君とは・・ 無印の最初のころでしたかねぇ
あなたは本当にいいものを書く・・アッパレです。

82 名前:うのひと(´ー`) 投稿日:2003/11/11(火) 03:11 ID:???
どうも、お久し振りに書き込みます。

えっと、いきなりですが「はるなとかえで」って誰なんでしょう?
ちょっと元ネタがわからなかったもので。すいません。

あと、毎日のように書き込んでくださってるのは嬉しいし
すごいなあとも思うんですが、初めの頃と比べると
少し話が荒くなって、冗長気味にもなってきてる感があります。
焦らないでじっくり書いてみてはどうでしょう?

12さん、感想を毎回書く余裕まではないですが
いつも楽しませて頂いてます。ありがとうございます。
長文すんません。

83 名前:West 投稿日:2003/11/12(水) 20:05 ID:???
>>12さん
一度名無しで書き込んだ事はあるけど、改めて。
どうしたらこんなに後から後からええ話を書けるんでしょう。

リクエストできるんでしたら「沢田たみおの場合」をお願いします。

>>うのひとさん
彼女たちは某SSのオリキャラです。作者さんはなるべくひっそりとやりたいそうなので、
どうしても知りたかったら御自分で探してみて下さい。

84 名前:妹尾あいこの場合 投稿日:2003/11/14(金) 01:12 ID:???
ラストダンスは私に

あした、あたしはこの街を離れる。
なにも無く、寂しくなってしまったアパートの部屋を出て、
あたしは、この街を・・大好きだったこの美空を歩き
その見慣れた景色を、心のアルバムに焼き付ける。

美空へ来たばかりの頃、ひとりでいつもいた「高台の公園」
仲間達と、毎日登った「学校への坂道」
大親友たちに出会い、そしてあたしの運命をも変えてくれた「MAHO堂」
みんな、みんな・・大切なおもいでがいっぱいだった。

「この河原も・・よう来たっけ・・・」
お父ちゃんとケンカしたとき、
お母ちゃんのこと思い出して悲しくなったとき、
ここ来てハーモニカ吹いとったっけ・・・
何故かココへ来ると、いつも元気が沸いてきた。
河原に寝転がって目を瞑りながら、ふとそんな事を思っていた。
・・なんか・・・・エエ匂いするなぁ・・・
「はい、あいちゃん。」
えっ!・・・?
そこには、あたしの大好きな・・・イチバンの大親友が・・・立っていた。

「いつも、あいちゃんにご馳走してもらってたから・・・」
そう言って、彼女はタコヤキを拵えてきた。
イビツで、焦げてて・・でもあったかい・・・彼女らしいなぁ・・・
2人で腰掛けて、そのタコヤキを食べた。
まるで・・・
「なんかさ、あいちゃんと初めて出会ったときみたいだね」
「そうやね・・・あん時と同じや・・・」
彼女に出会った事。それはあたしの・・美空での全てのはじまりだった。
励まし、励まされ、楽しいことも、辛いことも・・
みんなで分け合ってきた。

そう、「あの時」がなかったら・・
あたしはみんなと大親友になれたろうか?
こうして家族みんなで暮らせる日を迎えることが出来ただろうか?
・・・彼女に出会っていなければ・・・
きっと、今のしあわせなあたしは・・・いない。

川向こうの工場煙突の間を、夕日が沈んでゆく。
毎日あたりまえのように見てきた・・でも、明日からはもう見ることの叶わない
美空の夕日が暮れてゆく・・・

「あたしがこうやって、頑張って来れたんも、
 幸せになれたんも・・・みんなどれみちゃんのおかげや・・本当にありがとう。」
「・・・ちがうよ
 あいちゃんが頑張ったのも、幸せになれたのも
 みんなあいちゃん自身で道を切り開いてきたからだよ
 ・・あたしは・・・そんなあいちゃんの頑張りにいつも励まされてきたんだよ?
 だから・・・自信を持って、しあわせになって・・・
 あいちゃんの幸せは・・あたしたちの幸せなんだから」

・・・ううん、ちがう・・・
あなたは気づいていないだけ・・・
そうやって、いつもいつもあたしを・・沢山の人を幸せにしている事を・・・

「・・そっか・・・そうやね・・・
 そんじゃ、いっちょ威張ったろか「エッヘン!」」
お互い笑いあった。
沈みゆく夕日に負けないくらいに・・・

もし・・もしも、あたしが男の子に生まれていたら・・・
きっと、この娘に想いを伝えていただろう。
・・・あの時、彼女の胸に抱かれて踊ったダンス・・・
・・・わたしは一生忘れない。

あした、あたしはこの街を離れる。
でも、さよならじゃない。
いつかまた、この街で「新しい物語」が綴られる、その日まで・・・

「いってきます!」

85 名前:12 投稿日:2003/11/14(金) 02:15 ID:???
という訳で・・・
 あ い ち ゃ ん 誕 生 日 お め !!
記念編ですた。

いやいや、今回はこんなに沢山の方々からレスが・・・
もう泣きたい位ウレシイっす。感謝です。

>>71 さん
照れ屋な小竹君はきっと・・いや間違いなくパルに向かっても「どじみ」でしょう。

>>81 さん
そうですね。「どれみ」シリーズ、おジャ魔女さん以外のクラスメイト話では
小竹君(パル話)がトップバッターでしたからねぇ
同じく飼い犬(ナシモト)がいる島倉さん。彼女の場合、3回ほど出てるんですが、
無印と#でナシモトの大きさがゼンゼン違うのが禿げしく気になったっす。同犬なのか?

>>82 うのひと さん
うーん・・・
そうなんですよね、なんていうか私のは「即席味噌汁」みたいなモンで、
お湯を注げば注ぐほど、味が薄くなるんですよね。(意味不明)
これからはもちょっと煮詰めて、濃度上げてからにしてみますです。
・・・えりかたんにパ○ツずり下ろされんようにこれからもガンバリます。テヘ

「はるな、かえで」さんについては、私も言いたくてしょーがないんですが(コラ)
Westさんも仰られている通り、作者様から「晒さないでね」ってお願いされてるので・・・ゴメンナサイ

>>83 West さん
はじめましてです。こっちは全然はじめましてじゃないんですが・・・(汗)
ギロ部長ですね。畏まりましたです。

私はまだまだ未熟者です。でも、ここにageさせて頂いてる以上、
中途半端な作品(あくまで自分なりにですが)にはしたくないですし、
読まれる方が?と思われないように、これからも精進してゆきたいと思っとります。
なので、これからはチト更新スピードが遅くなる事をご容赦下さい。
ではまた

86 名前:71 投稿日:2003/11/14(金) 23:45 ID:???
あいちゃん誕 生 日 オ メ ッ !!

この話の肝はなんと言っても、どれみさんのタコヤキ。
迂闊にも「タコヤキプレートを購入するどれみさん」を想像してしまいました。
…ゴメンナサイ(;TДT)

87 名前:沢田たみおの場合 投稿日:2003/11/22(土) 02:39 ID:???
「いまこそ わかれめ いざさらば」

明日の本番を前に、ただ一人だけ自分のパートをこなせず、
居残りしている彼女。
顧問の西沢先生が会議で外しているので、2人きりになってしまった。
「実はさぁ、僕、中学へ入ったら持ち楽器を変えようかと思ってるんだ。」
なかなか調子が掴めなくて、焦っている彼女の気まずい雰囲気を晴らそうと
振ってみた話に・・・目を丸くして驚いていた。

「えーーっ、ギロ辞めちゃうんですかぁ?」
「う、うん・・・」
暫しの沈黙の後、彼女はピアノの椅子から立ち上がり、大きく伸びをした。
そして・・・
「沢田部長って、どうしてギロを始めたんですか?」
そう唐突に聞いてきた。

「ん〜・・・ギロって、単調で味気ない、地味な存在じゃないか。
 なんかさ・・・似てるんだよね、
 成績も良くなくて、格好よくもない、パッとしない僕に・・・」
「ウーン、確かに・・・じゃなくって、ええと・・そのぉ・・・」
「ハハハッ・・・いいよ、いいよ・・
 でも、好きなんだよなぁコイツが・・・なんでかなぁ〜」

彼女は、音楽室の隅に置いてあったギロを手にして、鳴らし始めた。
ギーコ ギーコ ギーコ ギーコ ・・・・
「確かにギロって、カエルの鳴き声みたいで・・面白くないです。
 でも、あたしたちの演奏には欠かせない音色でした。
 沢田部長も同じです。
 普段目立たないようにしてるけど、いつもあたし達の為に頑張ってくれてる。
 音楽クラブで良い結果が出せるのも、見えないところで・・・
 あたしたちの解からないようなガンバリで支えてくれていた。
 だからの結果だと思うんです。」

冷やかしで言っているのかと思っていた。
でも、彼女の顔は真剣だった。
「あ、う、うん・・・・」
・・・なんか、照れちゃうな・・・こういうのは・・
「僕は、そんな大したことはしていないし、
 みんなが頑張って、そして楽しく合奏できた・・・その結果だと思うよ。
 でも、その支えになれた・・・そうみんなが思ってくれているのなら
 僕は嬉しいよ。・・・ありがとう。」

ギーコ ギーコ ギーコ ギーコ ・・・・
「このギロを、中学へ行って辞めてしまっても、
 音楽クラブであたしたちみんなで奏でた曲を・・・
 忘れないで下さいね、沢田部長。」

音楽って不思議だね。
笑ったり、怒ったりしていると、音も自然と付いてきてしまう・・・
話したりしていなくても、気持ちが音色になって伝わってくる・・・
自分で言えない気持ちも、もしかしたら
心で奏でた素敵な曲で、思いを届けてくれるような・・・そんな気がしてしまう。

でも、僕は音楽が好きだ。
だから僕は音楽を続ける、中学へ上がっても、大人になっても・・・
大好きな・・僕のギロと一緒に。

翌日、僕は彼女たち音楽クラブの演奏で、送り出された。

わすれないよ・・・キミたちと一緒に奏でたこの時間をいつまでも・・・

88 名前:12 投稿日:2003/11/22(土) 02:51 ID:???
大学入試に滑って、公園の人形劇団のお手伝いをするどれみさんと再会 編など
3通りほど書き上げて、結局↑に落ち着きますた。んー、甘いなぁ・・・

>>71 さん
どれみさんの場合、プレートを使っていても、ちゃんと丸くなっていなかったり・・・
でも、きっとあいちゃんに言ってるだろうなぁ「あたしは中身で勝負だからさ」って。

89 名前:West 投稿日:2003/11/22(土) 23:55 ID:???
ギロ部長編ありがとうございます(お疲れ様でした)。
どれみさんはほんとに人を元気にするのがうまいですね。
音楽クラブの話は本編でももう何話かやってほしかったです。

90 名前:まんだりんの場合 投稿日:2003/11/23(日) 04:42 ID:???
あたしの名前は「まんだりん」
メスのセントバーナード。

このお家に来て、13回目の春がやって来た。
この季節はとっても好き。とても良い匂いがするから
お庭に、街に溢れているから・・・

・・・・・・

「ワン、ワン」
あたしが吠えると、みんなが笑ってくれる。
パパさん、ママさん、ばあやさん
そして、生まれたときからずっと一緒にいる
一番大好きなはづきちゃん。

はづきちゃんはいつもあたしと遊んでくれた。
いつも優しく微笑んで、話しかけてくれた。
「まんだりん、わたし今日、公園でお砂遊びしたの。」
「・・・今日はね、パパとママと一緒にお買い物にいったの。」
「今日ははづき、一人でおつかいしたのよ?すごいでしょ。」
「ヒック・・わたしの大好きなお帽子・・無くしちゃって・・でもね
 わ・・たし・・まさるくんに・・鳩笛もらったの・・ヒック」
時には泣いたり、怒っていたりしながら・・・
今日あった出来事をあたしに話してくれた。
あたしは、嬉しくていつもはづきちゃんの帰りを待っていた。
でも・・・

あれは、幼稚園に通い始めた頃からだった。
「まんだりん、あたし今日、どれみちゃんてお友達ができたの。」
「今日の遠足で、どれみちゃんとお弁当半分こしたのよ。」
「・・今度のお遊戯会でどれみちゃんと一緒にお星様をやるの。」
どれみちゃん。
そのコの名前が出てこない日はなかった。
あたしは・・・なんだかちょっとヤだった。
あたしが、はづきちゃんの一番のトモダチだと思っていたのに・・・

そんなある日、そのコがウチへやって来た。
「まんだりん、どれみちゃんよ」
「・・こんにちわ、まんだりん・・」
「ウーーーッ・・・ワンワン、ワウワウ」
あたしは・・・
「・・ウエェーーン」
「だめでしょ?まんだりん・・・どうして、意地悪するの?」
はづきちゃんが、あたしに怒った。初めてだった・・・
それに・・・とっても寂しそうな顔をしてる・・・

「・・はづきちゃん、まんだりんを怒らないで。
 ・・・ごめんね、驚かせちゃったんだね。
 あたし、春風どれみ。
 いつもはづきちゃんから、まんだりんのお話聞いててね、
 それで、あたしもお友達になりたくって今日来たんだよ・・・
 まんだりんもお友達になって・・くれるかな?」
そのコ・・・どれみちゃんはあたしに話しかける。
優しく微笑んで・・・はづきちゃんと同じだ・・・

あたし、はづきちゃんが取られちゃうみたいな気がして・・・
でも、違うんだね。
はづきちゃんも、どれみちゃんにあたしの事を話してくれてる。
あたしも、どれみちゃんも・・おんなじ・・トモダチなんだ・・・
・・ゴメンね、はづきちゃん・・ゴメンね、どれみちゃん・・・
「ワン!」
トモダチになろう!

・・・・・・

・・・あたし、眠っちゃってたんだ。
でも・・なんで、みんなあたしを寂しそうな顔で見ているの?
パパさん、ママさん、ばあやさん・・それにはづきちゃんとどれみちゃんまで・・なんで?
「まんだりん・・あたし、あたし・・・」
・・・ああ、そうだったんだぁ・・・

もう、あたし・・・
みんなとお別れしなくっちゃいけないんだ・・・

「はづきちゃん、泣かないで・・・
 はづきちゃんが泣いちゃうとまんだりんもきっと悲しんじゃう・・・
 だからさ、いつもみたいに笑って、ね?
 何処へ行ったって、いつまでもあたしたちはトモダチなんだからさ
 そうだよね?まんだりん」

うん、そうだね・・・お別れじゃないよね。
あたしたち、いつまでもトモダチだもんね。

「まんだりん、ありがとう」
はづきちゃんは・・いつものように優しく微笑んで、
あたしを撫ででくれた。

ありがとう・・・はづきちゃん

・・・・・・・

「ごめんね・・・
 これからは、毎日ここでお話出来なくなってしまうけど・・・
 でも、見ていてくれるわよね?私のこと
 だって、今でも私達、トモダチなんだもの。
 ねっ、まんだりん」

庭の隅に、今でもある古ぼけた大きな犬小屋。
その前で、明日から姓が変わってしまう、はづきがひとり・・・いや
彼女の「トモダチ」と話していた。

それは、あれから20年目のこと。
庭には、あの子が好きだった春の匂いが満ち溢れていた。

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